リチウムイオン電池作製の流れと品質管理 3σとは?

リチウムイオン電池作製の流れと品質管理 3σとは何か?

 

このページでは、

 

・リチウムイオン電池作製の流れ

 

・電池の品質管理と出荷の概要 3σとは何か?

 

について解説しています。

 

 

リチウムイオン電池作製の流れ

一般的なリチウムイオン電池の作製の流れは以下の通りです。
(※個々の詳細の作製ポイントは各々別ページで解説しています)

 

正極スラリーは溶剤系、負極スラリーは水系で作製する場合の例について解説します。

 

 

 

正極の作製

上のフロー図の「正極スラリーの合成」から「正極の電極加工」までで、正極が作製工程に当たります。

 

まず、正極の構成材料である正極活物質、導電助剤、バインダー、NMP等を混練し、スラリー状(ある程度の粘度を持ったどろどろの液体)の合材を作製します。

 

そして、そのスラリーを集電箔(正極では一般的にAl)に塗工し、乾燥させます。

 

電極を要求サイズに加工したら、正極の完成です。

 

エレメント作製の方式が巻回式か積層式で、電極をロール状にしておくか、カットしシート状にしておくかが変化します。

 

 

負極の作製

上のフロー図の「負極スラリーの合成」から「負極の電極加工」までで、正極が作製工程に当たります。

 

まず、負極の構成材料である負極活物質、バインダー、増粘剤、水等を混練し、スラリー状(ある程度の粘度を持ったどろどろの液体)の合材を作製します。

 

そして、そのスラリーを集電箔(負極では一般的にCu)に塗工し、乾燥させます。

 

電極を要求サイズに加工したら、負極の完成です。

 

正極同様に、エレメント作製の方式が巻回式か積層式で、電極をロール状にしておくか、カットしシート状にしておくかが変化します。

 

 

エレメントの作製

 

作製した正極、負極、セパレータを使用し、エレメントと呼ばれる正極、負極、セパレータを組んだものを作製します。

 

エレメント作製方法の方式には巻回式と積層式に分けられます。

 

巻回式では、ロール状の正極、負極、セパレータを重ねて同時に巻くことで作製します。

 

巻くだけのため短い時間でエレメントを組むことができますが、形状が円筒ベースの形状になるため、完成する電池の形状も円筒形ベースになり、組電池にした場合、隙間ができエネルギー密度が下がる傾向にあります。

 

一方積層式では、シート状にカットされた正極、負極とロール状のセパレータを用い組んだものを作製します。

 

もしくは、正極、負極のどちらかを袋状のセパレータで覆ったものを、交互に組む場合もあります。

 

重ねていくため、作業時間がかかることが多いですが、形状が角型になるため、完成する電池の形状も角型になり、組電池にした場合、隙間が少なく、エネルギー密度が高くなる傾向にあります。

 

 

ケース挿入

 

エレメントに、外部に電気エネルギーをとりだすための各リードを取り付けましたら、ケースに挿入していきます。

 

ケースには、金属ラミネート材や缶ケース(材質:アルミやステンレス、形状:円筒や角型)が使用されることが一般的です。

 

 

電解液の注液、封止、化成充電等の工程

 

電解液として有機溶剤系の液を適量入れ、封止し、充電を行うことで電池として完成します。

 

電池構成の材料によっては、注液後充電する際に膨れが起こる場合があり、その際はガス抜きを行ってから、封止し直して、再度充電にかける場合もあります。

 

正極にLiイオンがいる状態が安定のため(エネルギーが低い)、外部からエネルギーをかけ充電し、負極にLiイオンを移動させることで初めて電池として機能します。

 

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電池の品質管理と出荷の概要 3σとは何か?

出荷前に完成された電池が出荷しても問題ない電池かどうか(不良品でないか)を調べる必要があります。

 

特にリチウムイオン電池は、エネルギー密度が他の二次電池と比べても高く、電解液に有機溶剤系の物質を使用しているため、異常時に破裂・発火の危険性があり、品質管理の重要性が高いです。

 

上述の各工程においても、適宜不良の検出を行い、かつ完成された電池に対しても、初回時の充放電の容量に異常はないか、初期劣化を確認することで異常はないか、などとあらゆる視点から品質管理を行う必要があります。

 

 

製造業において一般的な品質管理の手法である3σと呼ばれる方法について紹介します。

 

この3σという言葉は、標準偏差(あるデータ群のばらつきの指標)σに着目した言葉です。

 

例えば、上述のよう初期の容量により品質管理を行うとします。

 

ほとんどの自然現象や科学的なデータは正規分布と呼ばれる分布であると見なしてよいことが多く、 100個分の電池を同時に作製した時の容量を測定した場合も正規分布に従うとして、その平均値と標準偏差σを算出します。

 

確率変数が正規分布に従う場合、平均値±3σにすべてのデータの約99%以上が入るため、この範囲外にある結果は何かしらの異常がある場合が可能性が高く、出荷時に出荷しないでおきましょうという考え方がこの3σでの管理という手法です。

 

 

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