電池のサイクル試験とは何?

サイクル試験とは何?

 

こちらのページでは電池の基礎的な用語である

 

・電池のサイクル試験とは何?
・一般的なサイクル試験条件と結果

 

ついて解説しています。

 

 

電池のサイクル試験とは何?

サイクル試験とは充放電を繰り返せる電池(二次電池と呼びます)において、充電と放電を繰り返した時の電池の劣化具合を見ることで、電池の性能を評価する試験の一つです。
 
例えば、スマホ向けバッテリーにはリチウムイオン電池が使用されていますが、長い間充電、放電を繰り返しているとだんだん容量が減ってくることを実感できると思います。
 
このように充電と放電を繰り返し使用した状況を想定した試験をサイクル試験と呼びます。
 
実際はサイクル試験中の容量維持率や内部抵抗、電池の膨れなどから電池性能を評価します。
 
また、サイクル試験に影響を与えるパラメータとしては、
 
@外部温度
A充放電するSOCやDOD
 
が挙げられます。
 
以下でもう少し詳しく解説していきます。

 
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一般的なサイクル試験条件と結果

 
一般的なリチウムイオン電池(例えば、正極活物質にコバルト酸リチウム負極活物質に黒鉛使用)の電池をサイクル試験にかけるとします。
 

温度は25℃、SOC100%から0%(つまりDOD100%)、充電条件 1C 4.2V CCCV 3h充電後、休止10分、放電条件 1C CC 2.5V放電後、休止10分という条件でサイクル試験を行うとします

 
略して、25℃での1C/1Cサイクル試験などと呼ぶ場合もあります。

使用想定地域や使い方などにより、電池に対する要求は大きく異なってきますが、温度は25℃や充放電条件は上の条件が一般的な値の一つであると言えます。

そして試験結果から以下のような情報を得ることができます。
 
 

サイクル試験に伴う容量維持率の変化

 
縦軸に容量維持率(初期容量を100%とした場合の経年後の容量の百分率)、横軸にサイクル回数をとったグラフを描くことで、サイクル試験に伴う容量維持率の変化を判断します。
 
サイクル回数が進むにつれて電池の容量が減ってきますが、容量維持率が高い値を保っているほど良い電池であるといえます。
 
また、この容量維持率をある程度行うことで その後の容量維持率をある程度予測できる予測線をできるようになります。

 

 
 

サイクル試験に伴う内部抵抗の増加

 
また、サイクル試験が進むと内部抵抗が増加していきます。以下に内部抵抗の増加イメージを示しました。
 
これは、充放電により、正極活物質(例えばコバルト酸リチウム)負極活物質(例えば黒鉛)が膨張、収縮することで、活物質自体も構造が崩れるだけでなく、活物質-活物質間、活物質-導電助剤間、活物質-集電箔間といったあらゆる電極構造中の導電パスが弱くなることが原因です。
 
電池にもよりますが、寿命末期のころですと結晶構造が大幅に崩れたり、上述の導電パスのほとんどが弱くなると急激に内部抵抗が下図のよう上昇していきます。
 
(※ただし、チタン酸リチウムなど、材料によっては膨張、収縮が少ない活物質もあります。)

また、サイクル試験による活物質の膨張収縮だけではなく、負極のSEI被膜の成長由来の容量低下も同時に起きることで容量低下、内部抵抗の上昇につながっています。

 


 

※サイクル試験と電池温度の関係性についてはこちらで別途解説しています。
 
 

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