【エネルギー密度の計算】多孔度と真密度から電極の厚みを計算してみよう!

【エネルギー密度の計算】多孔度と真密度から電極の厚みを計算してみよう!

 

スマホ向けのバッテリーや電気自動車向けバッテリーを始めとしたリチウムイオン電池において、更なる高容量化、高電圧化、高エネルギー密度化に向けて、各企業で様々な研究開発が進められています。

 

このリチウムイオン電池の容量やエネルギー密度の設計を行う際、電池設計シートと呼ばれるフォーマットを用いて、容量やエネルギー密度の計算を行います。(※電池の容量の計算方法の概要はこちらで解説しています)

 

そして、電池設計シートにおいて、エネルギー密度を算出する際に、電池の体積を求める必要があります。

 

電池の体積を求める際に、電極自体の厚みを計算する必要があり、こちらのページでは

 

 

・電極合剤の多孔度と構成材料の真密度から電極の体積を計算してみよう!

 

というテーマで解説しています。

 

(※多孔度、空隙率についてはこちらで解説しています)について解説しています。

 

 

電極合剤の多孔度と構成材料の真密度から電極の体積を計算してみよう!

電池の設計シートにて容量の計算を行った以下のデータを元に電池の体積を計算する方法について解説します。

 

電気自動車向け電池などにはラミネート型電池を採用している企業様が多いです。

 

そして、ラミネート型電池の場合、積層式のエレメントにより電池が作製されていることが多く、また設計シートの基礎を学ぶのにわかりやすいため、積層式の場合の電池設計(容量の設計)について考えていきましょう。

 

まず、正極に使用する材料、組成を考えていきましょう。

 

正極活物質にコバルト酸リチウム、導電助剤にケッチェンブラック、バインダーにPvDFを使用するとし、その組成が90:5:5であるとします。

 

ここで、厚みに関するパラメータとしましては、真密度と呼ばれるその材料本来の密度をあらわす物性があります。

 

コバルト酸リチウム、ケッチェンブラック、PvDFの真密度が各々3,2,1.8 g/cm3であるとします。

 

 

 

 

この場合の合剤の厚みを考えていきましょう。

 

まず、合剤全体の合成密度を考えていきます。

 

単純に構成材料の組成割合×各真密度の和をとりますと、2.89g/cm3と算出されます。

 

次に塗工質量(自分たちで指定する値)÷合成密度=合剤部分の厚み(片側)で多孔度が0と考えた場合=69.2μmと算出されます。

 

つまり、すべてきちんと充填されていたら上の値の厚みとなるわけです。

 

ただし、電極は多孔質であるため、その空隙分の厚みを考慮すると、多孔度の場合の厚み÷(100-多孔度[%
])/100=多孔度を考慮した厚み=115.3μmとなります。

 

最後に、電極は基材部分(正極にはアルミを使用)とその両側に塗工される合剤の厚みの和が電極の厚みであり、250.7μmと算出されます。

 

(※電極の作製方法はこちらで解説しています。

 

また、バイポーラ電池(バイポーラ電極使用電池)では、表裏が別の材料であるため計算方法は異なります。)

 

負極側も同様に計算することで電極の厚みを算出することができます(以下工事中)。

 

 

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