リチウムイオン電池を長持ちさせる方法

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法

 

こちらのページでは、スマホや家庭用蓄電池など多くの家電製品に使用されているリチウムイオン電池を
長持ちさせる方法について解説しています。

 

一般的なリチウムイオン電池の構成はこちらで解説しています。

 

 

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法@

リチウムイオン電池は電池を長持ちさせる方法@は【高温下に置かないこと】です。

 

順を追って、この理由を解説します。

 

商品化されている多くのリチウムイオン電池の負極には炭素系材料、特に黒鉛が多く使用されています。

 

電池を組み付けた後に、電池として機能させるために初回の充電を行うのですが、充電に伴いリチウムイオンが黒鉛層間に挿入される際、負極-電解液界面で電解液が分解しSEIという薄い層が黒鉛の表面に作られます。

 

SEIにより電解液の分解の大部分は抑制されるのですが、速度論的に抑制されているだけであるため、非常に速度は遅いですが電解液の分解(電解液中の成分ECとリチウムカーボンの反応等を始めとする化学反応)が起こります。

 

これが電池の容量低下、抵抗上昇(出力低下)につながります。

 

上記分解反応は上述の通り化学反応であるため、その反応速度はアレニウスの式に従います。

 

 

 

exp項の中が負の値であることに注意すると、T(温度)が大きくなるほど絶対値が小さくなるため、全体として化学反応の速度定数kは大きくなるため、【高温下に電池を置かないこと】が電池を長持ちさせる方法の一つです。

 

 

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法A

リチウムイオン電池は電池を長持ちさせる方法Aは【電池の残量が少ない状態で使用すること】です。
 
順を追って、この理由を解説します。

 

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法@でも記載したように、負極-電解液界面における電解液の分解反応が、SEI生成後にも遅いながらにも起こることが容量低下や抵抗上昇につながります。

 

ここで満充電状態に近い状態にすると(SOCが高い状態にすると)、負極-電解液界面の電圧が大きくかかることになる、つまりイメージでいうと大きく負担がかかることになります。
(電池の電位分布はこちらで解説しています)

 

負極-電解液界面に大きく負担がかかるということは、電解液の分解反応が進みやすくなり、電池の容量低下、抵抗上昇につながりやすくなることになります。

 

よって、満充電に近い状態でなく、上述した通り【電池の残量が少ない状態で使用すること】が電池を長持ちさせるための方法の一つです。

 

(電池の評価試験として、フロート試験という試験があり、主に満充電で電圧を保持するという厳しい条件下での電池の劣化を評価する方法があります。)

 

 

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法B

リチウムイオン電池は電池を長持ちさせる方法Bは【使用する電池残量の範囲の幅を小さくすること】させるです。
 
使用する電池残量の範囲を小さくすることを、言い換えますと、【SOCの範囲を小さく使う、DODを小さくすること】と言えます。
 

順を追って、この理由を解説します。

 

電池の充電、放電するに伴い、負極(黒鉛使用の場合)にリチウムイオンが挿入、脱離される時に、黒鉛の層間距離が大きくなったり、小さくなったりします。(正極が層状系酸化物(コバルト酸リチウム等)の時は正極でも起こる)。

 

活物質が膨張、収縮を繰り返すことで徐々に活物質自体の形状が崩れたり、電極の構造が崩れていき、劣化が進みます。

 

ここで使用する電池の範囲を小さくすることにより、上記の活物質や電極構造の膨張、収縮が小さくなり、劣化を軽減させることができます。

 

そのため、【使用する電池残量の範囲の幅を小さくすること】させることが、電池を長持ちさせるための方法の一つです。
 
 

リチウムイオン電池を長持ちさせる方法のまとめ

高温下に電池を置かないこと
電池の残量が少ない状態で使用すること
使用する電池残量の範囲の幅を小さくすること

 

を心掛け、電池を長持ちさせましょう!

 

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