リチウムイオン電池の構成

リチウムイオン電池の構成

 

こちらのページでは

 

・リチウムイオン電池の構成材料
・リチウムイオン電池の反応

 

について解説しています。

 

 

リチウムイオン電池の構成材料

リチウムイオン電池は繰り返し充放電できる二次電池に分類されます。

 

リチウムイオン電池は、一般的に正極、負極、セパレータ、電解液、外装材等から構成されます。

 

主に構成する部材の材料は以下の通りです。
(※電池の基本的な構造と各材料の役割はこちらで解説しています)。

 

使用材料

 

正極
・正極活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO2)
(※他にもリン酸鉄リチウム等、種類があります)

 

負極
・負極活物質:黒鉛
(※他にもチタン酸リチウム等、種類があります)

 

セパレータ
・セパレータ:PP(ポリプロピレン)やPEといった薄い樹脂フィルム

 

電解液
電解液溶媒:エチレンカーボネートやジメチルカーボネートなどを混合したもの
電解質:LiPF6などのLi含有有塩

 

を使用しています。

 

 

 

 リチウムイオン電池の反応

リチウムイオン電池の反応式は以下の通りです。

 

 

 

放電時、上式において反応が右に進みます。

 

反応のイメージは以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単に各部材の反応の概要を解説します。

 

正極(工事中)
 
 
 
負極

 

つまり、黒鉛負極に充電されていたLiイオンが放出され、電解液を介して、
コバルト酸リチウム正極内部に挿入されます。

 

黒鉛負極はグラフェン層が重なり構成され、充電時このグラフェン層間にLiイオンが挿入されます。

 

一般的に充電されていないグラフェン層間の距離は約0.34nmですが、
充電時Liイオンが挿入され始めると押し広げられ、最大10%程度層間距離が広がります。

 

また、初回充電時に黒鉛負極の電位が電解液の電位窓の範囲外であるため、
電解液が分解かつLiイオンが消費され、SEIという被膜が負極表面にできます。

 

初回充電時では上記のようLiイオンが皮膜形成に使用されるため、初回充放電効率
二回目以降の充放電効率と比べて、下がります。

 

このSEIはLiイオンは通しつつ、電解液の分解を大きく抑制する便利なものであり、
このおかげで繰り返し充放電ができます。

 

 

電解液(工事中)
 
 
セパ(工事中)

 

 

 

外装材はこのページでは詳細は記載しておりませんが、
ラミネートや金属(ステンレス等)の円筒管を使用することが多いです。

 

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