電池における放電特性とは?【リチウムイオン電池の放電】

電池における放電特性とは?【リチウムイオン電池の放電】

 

リチウムイオン電池は高電圧、高容量、高エネルギー密度、長寿命などのメリットがあるためスマホバッテリーや電気自動車搭載電池、家庭用蓄電池などの採用されています。

 

ただ近年、リチウムイオン電池の発火事故が急増しており、リチウムイオン電池の安全性(危険性)が認識されるようになり、この安全性の向上がリチウムイオン電池普及のための課題の一つであるといえます。

 

IOT化が今後進むにつれ、リチウムイオン電池の重要性がより増してくるため、リチウムイオン電池に関する知識を増やすとより快適な生活を送れるでしょう。

 

ここでは、リチウムイオン電池における最も基本的な反応である「放電」「放電特性」について解説していきます。

 

 

・そもそもリチウムイオン電池における放電とは?放電の仕組み

 

・リチウムイオン電池において放電時はどのような反応が起こっているのか?

 

・放電時の電圧と容量の関係 放電曲線(放電カーブ)・放電特性とは?

 

・最大放電電流とは?どのように設計されるのか?

 

というテーマで解説していきます。

 

 

そもそもリチウムイオン電池における放電とは?放電の仕組み

 

リチウムイオン電池をはじめとした電池において放電とは、電池のプラス端子とマイナス端子の間に負荷(豆電球など)をいれたときに、プラスからマイナスに電流が流れる現象のことを指します。このとき、定義として、電流は電子が移動する向きの逆とされています。

 

充電は外部からエネルギーを電池に加えないと起こらないですが、放電は負荷を電池にとりつけると自然にこる、自発的な反応ともいえます。

 

以下に電池の構成の概要と放電時の電流・電子の流れのイメージを示します。

 


正極から外部回路を経て、負極に電流が流れこみます。

 

リチウムイオン電池であれば、放電時はリチウムイオンが負極から正極へ移動します。これが放電のメカニズム(動作原理)です。

 

次に、具体的にリチウムイオン電池では放電時にどのような反応が起こるのか? を考えていきましょう。

 

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リチウムイオン電池において放電時はどのような反応が起こっているのか?

 

以下に、詳しく記載したリチウムイオン電池の構成のイメージ図を示します。

 

放電時は正極側ではカソード(還元)反応が、負極側ではアノード(酸化)反応が起こります。このとき、リチウムイオンが負極からジインターカレーションされ、逆に正極へインターカレーションします。

 

このインターカレーション反応は電荷の移動を伴う化学反応であるため、電荷移動反応と呼ばれます。電荷移動反応が起こった後に、正極内部で固体内拡散が連続して起こります。

 

つまり、電荷移動反応と物質輸送(拡散)は直列プロセスであることが基本です(厳密には電気二重層の充電もおこる)。

 

 

また、一般的なリチウムイオン電池では、正極活物質にコバルト酸リチウム、負極活物質に黒鉛、電解液に有機溶媒系の電解液にLiPF6をとかしたものをケース(ラミネートなど)に挿入したものといえます。

 

反応式としては上のように放電時に正極ではLiCoO2に近づく反応、負極ではリチウムカーボンからカーボンに近づく反応が起こります。

 

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放電時の電圧と容量の関係 放電曲線(放電カーブ)・放電特性とは?

次に放電曲線(放電カーブ)について解説していきます。

 

リチウムイオン電池を始めとしたバッテリーにおける放電は、最終製品を動かすための駆動力ともいえます。そのため、放電時の電圧が高い方がよく、また大電流を流してもで電圧降下が起こりにくい電池であるといいです。

 

基本的に放電曲線の良し悪しである放電特性を評価するためには、電池を充電上限電圧(充電電圧)4.2Vあたりに設定し、CCCV充電を行い、満充電にします。

 

その後、満充電から各温度、各レートで放電終止電圧(カットオフ電圧)まで、放電させます。このときの放電曲線(放電カーブ)の形などから容量・内部抵抗などを比較していきます。

 

その条件において、容量が大きかったり、内部抵抗が小さかったりするものが放電特性がいい電池とされます。

 

例えば、一般的なリチウムイオン電池の放電カーブは以下のようになります。

 


SOC-OCV曲線よりもオームの法則V=IR分低下した動作電圧で動きます。

 

このとき、放電終止電圧にあたったところがその電池における、その条件での容量となります。これが放電曲線の見方といえます。

 

また同電池で、同じ放電容量のときに、電圧降下が大きいほど内部抵抗が高いと判断できます。例えば、上図のように外部温度が高いほど電池の内部抵抗も上がり、結果として動作電圧が下がります。

 

他にも電池が劣化することで内部抵抗があがるときなども同様の結果となります。

 

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最大放電電流とは?どのように設計されるのか?

また、リチウムイオン電池の放電に関する用語として、最大放電電流と呼ばれるものがあります。

 

この最大放電電流とはどのようなものを指すのでしょうか? 実は最大放電電流とは言葉の通り、その電池をある最終製品に搭載したときに、どこまで大電流で流せるかを表した指標です。

 

例えば、寒冷地において内部抵抗が高くなる状況でも、最終製品を動かすには5Vが必要であったとします。

 

このときに、先にも述べたように、内部抵抗R × 電流値I 分の電圧が低下するために、大電流であればあるほど5Vをきりやすくなります。

 

このため、5V限界を流せる電流が最大放電電流となります。実際の設計では、劣化も考慮し、余裕を持たせて、最大放電電流が設計されます。

 

 

あと最大放電電流時の設計で、もう一つ気を付けることととしてはタブリードなどの金属部材が溶断してしまう可能性があることです。

 

電池は、電極においても、リードである金属部材においても、通電すると自己発熱が起こります。自己発熱量は単位時間当たりI^2R[W]分です。

 

そのため、電流値が大きいほどより発熱し、特にタブリードでは溶断する可能性が高まります。そのため、先にものべた電圧降下の観点からと、部材の溶断の観点からどちらか先に異常となる限界の値が、最大放電電流の閾値となります。

 

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