ポリオレフィンとは何か?【リチウムイオン電池の材料】

ポリオレフィンとは何か?【リチウムイオン電池の材料】

 

ラミネート型のリチウムイオン電池の構成材料として、タブリードとラミネート材をきちんとシールするための材用であるシーラントフィルムで合ったり、正極材と負極材の短絡を防ぐためのセパレータであったり、電池内部のエレメントを組立時に構成材料の電極がばらばらにならないようにする結束テープなどが挙げられます。

 

これらシーラントフィルムやセパレータや結束テープなどに主に採用される材料には、実は共通点があります。
それは材質がポリオレフィン系材料であることです。

 

製造業をはじめとした科学的な分野における用語として、「ポリオレフィン」というものがありますが、ポリオレフィンとは何のことか知っていますか?

 

ここではポリオレフィンに関係する以下の内容を解説しています。

 

・そもそもポリオレフィンとは?

 

・ポリオレフィンの特徴(メリット・デメリット)

 

・ポリオレフィンの用途は?リチウムイオン電池におけるポリオレフィンの用途は?

 

というテーマで解説していきます。

 

 

そもそもポリオレフィンとは?ポリオレフィン樹脂とは?

 

ポリオレフィンとは、科学的な技術に関わらない人にとってはなじみがない言葉かもしれません。

 

ただ、ポリオレフィンとは身近な材料としても多く使用されており、実はビニール袋やペットボトルのキャップなどとして使用される材質のポリプロピレンやポリエチレンなどはポリオレフィンに含まれます

 

基本的に樹脂(プラスチック)であるためにポリオレフィン樹脂とよぶケースもあります。

 

ポリオレフィン(英語でpolyolefin)の定義は、アルケン(オレフィン)とモノマー(単量体)とするポリマーやオリゴマー(高分子化合物)のことを指します。化学の一般式ではCn H2nで表される材料です。

 

つまり、二重結合を一つもつ鎖状の化合物が重合したものが基本的にポリオレフィンになります。また、アルケンの代表としては、エチレン、プロピレン、ブチレンなどがあります。

 

例えば、ポリオレフィンの代表であるポリエチレンの化学構造は以下の通りです。

 

 
(※ポリエチレンやポリプロピレンがポリオレフィンに内包されることは、粘着剤が接着剤に内包されることや剤という漢字が材という漢字に内包されることと似たようなイメージです。)

 

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ポリオレフィンの特徴(メリット・デメリット)

ポリオレフィン系材料の特徴としては、基本的に極性を持たない無極性です。無極性とは以下のように、極性(電子的な偏り)が無いことを指します。

 

 

有機物や薬品などは基本的に極性をもつ材料が多いために、ポリオレフィン系の材料とは反応しにくいです。

 

つまり、ポリオレフィン系材料の特徴(メリット)としては、耐薬品性・耐油性・耐候性・耐水性などに強い材料が多いといえます

 

耐熱性は融点がPEでは100~140℃程度、PPが170℃程度とそこまで高い値ではありませんが、日常生活での使用では問題なく使用できます。

 

また、ポリオレフィンの合成方法も確立されているために非常に安価に合成でき、いわゆる汎用性材料の多くがこのポリオレフィンにあたります。安価であることもポリオレフィンのメリットの一つです。

 

ポリオレフィンのデメリットとしては、各種耐性が高い分、接着剤で接着しようとしても接着することが困難であることといえます。

 

良くPPやPE(ポリオレフィン)は接着が難しいと聞きますよね? これは上述のよう、反応性が低いことが挙げられます。接着剤での接着がしにくことがポリオレフィンのデメリットといえます。

 

また、耐熱性が若干低めであること、PPは耐候性が低いことなどもデメリットの一つといえます。

 

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ポリオレフィンの用途は?リチウムイオン電池におけるポリオレフィンの用途は?

 

ポリオレフィンは安価であることや各種耐性が高いことから、多岐にわたり使用されています。

 

たとえば、ホースやバンパーなどの自動車用部品であったり、ビニール袋、建築用の防水シート、ペットボトルやハンドクリームの容器など等々、非常に多くの部品として使用されています。

 

以下は私の家にあったハンドクリームの一例です。チューブにはPEがキャップにはPPが使用されています。

 

 

特に、当サイトのメインテーマであるリチウムイオン電池においては、タブリードとラミネート材をきちんとシールするための材用であるシーラントフィルムで合ったり、正極材と負極材の短絡を防ぐためのセパレータであったり、電池内部のエレメントを組立時に構成材料の電極がばらばらにならないようにする結束テープなどに使用されています。

 

リチウムイオン電池では、電解液である有機溶媒と触れる可能性も多々あり、耐電解液性も求められるため、各種耐性がたかく、安価なポリオレフィン系材料が採用されやすいのです。

 

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ポリオレフィンの種類やその物性は?ポリエチレンとポリプロピレンの違いは?

 

純水なポリオレフィン系材料の種類としては、ポリエチレンとポリポロピレンが代表的です。

 

ポリオレフィンの種類の一つである、ポリエチレンやポリポロピレンの特性としては、先にも述べたように耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐有機酸性など基本的に耐性が高いです。

 

以下にポリオレフィンの代表であるポリエチレン、ポリプロピレンの物性についてまとめましたので、参考にしてみてください。

 

低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンではその物性も異なることに気を付けましょう。

 

低密度ポリエチレン(ポリオレフィン)の基礎的な物性

 

密度:0.91 g/m^3 程度
融点:100℃~130℃程度

 

高密度ポリエチレン(ポリオレフィン)の基礎的な物性

 

密度:0.95 g/m^3 程度
融点:120℃~140℃程度

 

ポリプロピレン(ポリオレフィン)の基礎的な物性

 

密度:0.91 g/m^3 程度(最も軽いプラスチックと呼ばれています)
融点:170℃程度

 

それではポリエチレンとポリプロピレンは具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
以下でポリエチレンとポリプロピレンの違いについて解説していきます。

 

まず、ポリエチレンとポリプロピレンの化学構造の違いは以下の通りです。

 


そして、ポリエチレンとポリプロピレンの特性の違いとしては、

 

・耐熱性がPPの方が若干高いこと(PEは融点100~140℃程度に対して、PPは170℃程度)

 

・耐候性がPPの方がPPよりも低い

 

・PPの方が若干硬く、粘りが弱い

 

などがあります。

 

リチウムイオン電池のセパレータとしてPPとPEが積層することで融点の幅ができるため、異常発熱時に樹脂の溶融によるシャットダウン機能が働きやすくなり、安全性が向上するといったメリットがあります。

 

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