ラングミュア(langmuir)の吸着等温式とは?導出過程は?

ラングミュア(langmuir)の吸着等温式とは?導出過程は?

 

科学的な解析として、吸着現象に関する解析が行うことがあるかと思います。

 

例えば、リチウムイオン電池の分野においては正極活物質(例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなど)や負極活物質(黒鉛、チタン酸リチウム、易黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの比表面積を測定する際にBET吸着法という測定方法により、行っています。

 

上述のBET吸着法を始めとして、吸着現象の考え方は各解析に使用されており、こちらのページで吸着現象の基本式でもあるラングミュア(Langmuir)の吸着等温式(BETの吸着等温式の元の式)と呼ばれる式について解説しています。

 

・ラングミュア(Langmuir)の式、吸着等温式とは?導出方法は?

 

・【演習問題】ラングミュア(Langmuir)の吸着等温線を描いてみよう(Excel使用)

 

・ラングミュア(Langmuir)の吸着等温式から比表面積を計算する方法 解析例

 

というテーマで解説しています。

 

 

ラングミュア(Langmuir)の式、吸着等温式とは?導出方法は?

上述のように、ラングミュアの吸着等温式とは、化学吸着による吸着を表した式であり、反応サイトがすべて単層で覆われることを仮定して、理論的に導出された式であり、以下のように表されます。

 

ここでvは実際の吸着量を表し、単位は[cm^3]などを一般的に使用します。

 

 

 

そして、導出方法は以下の通りです。

 

一定の温度で、ある固体の表面に吸着される気体分子について考えましょう。

 

計算しやすいように単位面積あたりで考えましょう。

 

吸着分子で覆われている面積の割合をθとします。
(※下で解説しますがθ=実際の吸着量v / 飽和吸着量vmaxまたはb という関係が成り立ちます) 

 

すると、吸着分子が蒸発する速度は、蒸発速度定数 k蒸を用いて、r蒸=k蒸 θとなります。

 

次いで、気体分子から固体表面へ凝縮する速度を考えますと、吸着分子で覆われていない部分が反応サイトとなり、圧力をpとした際

 

r凝=k凝p(1-θ)となります。

 

平衡時のこの吸着している分子の蒸発速度と、気体分子の吸着していない部分への凝縮速度が同じとなるため、k蒸 θ=k凝p(1-θ)という等式が成り立ちます。

 

θについて解きますと、θ=k凝p/(k蒸 + k凝p)=(k凝/k蒸)p / (1+ (k凝/k蒸)p)という式が成り立ちます。

 

ここで、(k凝/k蒸)=aとおき、見やすくしておきましょう。この値は吸着の平衡定数と呼ばれます。

 

するとθ=ap/(1+ap)と表されます。

 

さらに、吸着量vは飽和吸着量vmaxを用いて表すと吸着サイトの割合分だけかけた量となるため、v=Vmaxθとなります。

 

上述のθを代入、Vmaxも見やすいよう表記をbとしますと(Vmaxの方がわかりやすい方はVmaxを使用しましょう)v=abp / (1 + ap)というラングミュアの吸着等温式が導出されました。

 

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【演習問題】ラングミュア(Langmuir)の吸着等温線を描いてみよう(Excel使用)

 

上述の吸着等温式を用いて、吸着等温線を描いてみましょう。

 

吸着等温線とは縦軸にθ、横軸にpをとったものであり、一定温度における表面被覆率θと圧力pの関係を表した曲線であるといえます。

 

ここで、吸着等温式には平衡定数aの項が入っており、温度依存性を示します(温度により値が変化します)。

 

温度が高いほど平衡定数が大きくなり、小さいpでもθが大きくなる傾向になります。

 

 

ここで、吸着等温線を描くためには、θの関係式に一部上式を修正する必要があります。

 

θ = v / b であるため、上式の両辺をbで割りましょう。

 

するとθ = ap / (1 + ap) という式が成り立ちます。

 

この式もラングミュアの吸着等温式であり、吸着等温線を描くための式です。

 

実際にExcelなどを用いて描いてみましょう。

 

例えば吸着の平衡定数aを1,5,10と振った際の各θを算出してみましょう。

 

以下データのように数式を入力し、グラフを作成しますと以下の通りとなります。

 

 

 

 
これがラングミュアの吸着等温線です。

 

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ラングミュア(Langmuir)の吸着等温式から比表面積を計算する方法 解析例

 

ラングミュアの吸着等温式、吸着等温線がわかりましたところで、次は比表面積をどのように算出しているかについて解説します。

 

アレニウスの式にて活性化エネルギーを見積もったり、間の温度を見積もる際に利用するアレニウスプロットのようなものが、このラングミュアの吸着等温式でもありラングミュアプロットと呼ばれます。

 

このラングミュアプロットについて以下に解説します。

 

 

 

v=で表記されるラングミュアの吸着等温式からラングミュアプロットを考えていきましょう。

 

ここで飽和吸着量b(またはvmaxと表記)と吸着の平衡定数aがわからず、吸着量vと圧力pがわかります。

 

式を変形していくと v ( 1 + ap ) = abp ⇔ v + apv = abp において両辺を vabで割ります。

 

すると 1/ab + p/b = p/v となるため、p/vを縦軸にとり、pを横軸にとりますと、その傾きが1/bとなっており、切片が1/abとなります。

 

 

 

 

架空のデータを用いて、実際の演習問題を解いてみましょう。

 

ある粉体に対して(例えば電気二重層キャパシタに使用する活性炭など)の比表面積を計算するために吸着量を測定したとします。

 

 

 

ここで、圧力の単位はKPa、吸着量vの単位はcm^3を使用していますが、吸着量をmol/kgで表す場合や圧力pの代わりに濃度Cで単位mol/m^3やmol/Lなどで表す場合がありますので、単位換算には気を付けましょう。

 

また、圧力の単位もPaだけでなく、atmやmmHgで表記されている文献等々がありますので、気を付けましょう(細孔径を算出する際の水銀圧入法ではmmHgが良く出てきます)。

 

 

 

よってグラフの近似直線から、1/b=0.0166、1/ab=0.4526となります。

 

つまり、よって飽和吸着量b=60.2cm^3となり、a=0.0368 / KPa^-1となります。

 

単位は測定値の単位により変化しまうので気を付けましょう。

 

※ラングミュアの吸着量を測定する方法は別途ページで解説しています。

 

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