リチウムイオン電池の寿命予測方法(ルート則)

リチウムイオン電池の寿命予測方法(ルート則)

 

リチウムイオン電池の寿命予測方法の考え方であるルート則に関係する

 

・ルート則とは?

 

・ルート則の考え方

 

というテーマで解説しています。

 

 

ルート則とは?

リチウムイオン電池における寿命、劣化を予測する方法としてルート則と呼ばれる考え方があります。

 

ルート則とは、縦軸にサイクル試験やフロート試験において、縦軸に容量劣化量を取り、横軸に時間やサイクル数のルートを取ると、直線関係が得られる考え方のことを指します。

 

時間やサイクル数のルートと関係しているため、ルート則と呼びます。

 

実験値と比較すると実験値の方が若干容量劣化量が少なく、ルート則での見積もり値の方が厳しい予測であるといえます。

 

下記にイメージを示します。

 

 

 

サイクル試験フロート試験における容量維持率のグラフ(縦軸に容量維持率、横軸にサイクル回数やフロート充電の時間をとったもの)に変換すると以下のような線が得られます。

 

 
予想線の方が測定結果より容量維持率が下回る場合が多いです。

 

ただし、極高温時や低温時の電析により、通常の劣化モードと異なる場合で劣化した際は、実際の測定結果の方が途中から下回る場合も有ります。

 

どういった場面でこのルート則を使用するのか理解できましたら、次にルート則と呼ばれるこの法則のベースの考え方について解説します。

 

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ルート則の考え方

一般的なリチウムイオン電池正極活物質にコバルト酸リチウムを使用し、負極活物質に黒鉛を使用します(最近では、正負極ともに他の新しい材料が使用されるケースも増えてきました)。

 

そして、初回充電時、黒鉛に挿入されたLiイオンの電位は電解液の電位窓より低いため、還元的に分解され、Liイオンを消費しつつSEIと呼ばれる皮膜を形成します。

 

SEIはLiイオンを通し、電解液の分解を抑制します。

 

ただし、抑制されますが徐々に分解され、SEI被膜は成長していき、徐々にLiイオンを消費、つまり容量劣化につながるのです。

 

サイクル試験時は正極、負極ともに膨張収縮するため正極も劣化に起因しますが、フロート試験や放置試験では膨張収縮がないため、負極のSEIの成長のみが容量劣化の要因と考えることが出来ます。
 
ルートの元の考え方は、この負極でのSEI皮膜の成長に着目しています。
 
負極SEIの皮膜の成長速度が皮膜の厚さの皮膜の厚さの逆数に比例するという考え方がルート則のベースです。

 

SEI被膜が成長した際も構成するLiイオンの割合は同程度であることが実験、解析によりわかっているようで、SEIの厚みが容量劣化量と比例すると考えています。

 


つまり、SEIの成長速度=dx/dt=k/x・・・@ で表されます。

 

ここでxはtにおける被膜厚さ、tは時間、kは定数を表しています。

 

@の微分方程式を解いていくと、

 

  x/dx=k dt
⇔x^2=kt+C1
⇔X=k' t^1/2+C2

 

となり、被膜の厚みとルートtが直線関係にあることがわかりましたね。

 

つまり、被膜の成分はおおよそ均一であることが実験結果により知られており(もちろん電池の仕様によってもその均一さなどは変化するでしょう)、一般的には容量劣化量とルートtが直線関係にあるとも言い換えられるのです。

 

また、このルート則から大きくはずれた実験値になる場合もあり、そのような場合は時間のルート、つまり0.5乗でなく、0.x乗例えば0.3乗などを横軸にとることで乗る場合もありそのような劣化予測をべき乗則とよぶこともあります。

 

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