多孔度とは何?多孔度の計算方法は?電極の多孔度と電池性能の関係

空隙率、多孔度とは何?

 

このページでは、電池の電極構造の性能を決める要素の一つである

 

・多孔度、空隙率とは何か?

 

・単一部材の多孔度の計算方法

 

・電池の電極の多孔度と性能の関係

 

について解説しています。

 

 

多孔度、空隙率とは何か?

 

多孔度や空隙率の解説をする前に、多孔質という言葉と空隙という言葉について解説します。

 

電池の構成部材であるセパレータを例に解説していきます。

 

セパレータの構造はスポンジをイメージして頂くとわかるように、小さな穴(孔と呼び、小さいものではナノオーダー、大きいものではマイクロオーダーが目安)がたくさんある構造をしています。

 

このような構造を持つ材料のことを多孔質と呼び、材料全体における孔の割合のことを多孔度と呼びます。

 

 
そして、空隙と空隙率は上記の孔と多孔度の関係に似ており、空隙がある材料におけるスカスカ、穴の部分をさし、空隙率はその割合のことを指します。

 

ただし、多孔質との違いは、多孔質は微小な穴が多くある構造であるのに対して、空隙はイメージとして微小な穴だけでなく、比較的大きめの穴も含んでいるといってよいでしょう。

 

つまり、空隙、空隙率の組み合わせに内包されているものとして、孔と多孔度の組み合わせがあると言えます。

 

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単一部材の多孔度の計算方法

 

詳細に多孔度を測定する場合は、水銀圧入法などの測定方法により測定できます。

 

しかし、大まかな多孔度を計算する場合は、その体積と密度、質量のデータがあれば計算することができます。

 

単一部材からなる多孔度の計算方法は以下の通りです。

 

 

 

上のような寸法のセパレータがあったとします。

 

このセパレータの体積をまず計算すると、単位に注意して0.1cm × 10cm × 20cm =20cm^3となります。

 

そして、孔が全くなく、かつ材質がPPでできているとするとこのセパレータの質量は20× 0.91=18.2gと計算できます。

 

さらに実際のこのセパレータの質量を測定し、その質量が15gであったとします。

 

すると、その差分の割合は(18.2 - 15) /18.2 ≒ 0.176 より 17.6%が孔(つまり空隙)であると見積もることができます。

 

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電池の電極の多孔度と性能の関係

 

 合材電極の場合の多孔度の算出方法の概要

 

リチウムイオン電池において、正極、負極といった電極は金属箔の上に合剤電極と呼ばれる、活物質や導電助剤、バインダーなどを混ぜ、乾燥させたものから構成されます。

 

そして、この合剤電極も電池の性能を高めるために多孔質であることが必要です。

 

それでは、合剤電極のような材料が混ぜてあるものの多孔度を求めるにはどうすれば良いのでしょうか?

 

実は計算方法は比較的簡単で、合材を構成する各材料の密度と割合を掛け合わせたものの平均、つまり
加重平均をとれば良いのです。

 

下記の例を元に計算していきましょう。

 

合材の構成は90%が負極活物質として黒鉛、5%が増粘剤としてCMC、5%がゴム系バインダーであるとしましょう。

 

黒鉛の密度が2g/cm^3、1.6g/cm^3、バインダーが1g/cm^3であるとします。

 

すると合材電極の密度は 2×0.9 + 1.6×0.05 + 1*0.05 = 1.93g/cm^3となります。

 

この合剤電極の密度が計算できましたら、単一部材の多孔度の計算方法と同様に算出することで多孔度が算出できるのです。

 

 

 

 

 

電極の多孔度と電池性能の関係

 

そして、電極の多孔度は電池の性能と大きくかかわってきます。

 

多孔度は電極のプレス条件により、変えることが出来ます。

 

電池は内部抵抗が小さいほど良い電池と一般的に考える事ができ、大きく分けて、正極由来、電解液のLiイオンの移動抵抗由来、負極由来、リード抵抗由来に分類できます。

 

その中でも正極由来、負極由来の抵抗に電極の多孔度は関わってきます。

 

多孔度が小さすぎる、つまり電極にほとんど空隙がないと電解液が電極の入っていかずに抵抗が高い電極になります。

 

逆に、多孔度が大きすぎると活物質-活物質間であったり、活物質-導電助剤間であったりの導電パスが弱くなるため、これも抵抗が高い電極になります。
 
つまり、多孔度は最適化が必要であり、市販の電池では40~60%程度に収まっていることが一般的です。
 
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