弾性接着剤とは?弾性接着剤の反応と特徴【リチウムイオン電池パックの接着】

弾性接着剤とは?弾性接着剤の反応と特徴【リチウムイオン電池パックの接着】

 

当サイトのメインテーマであるリチウムイオン電池において、組電池(電池パック)を作製する際に接着によりパックを組み立てる場合があります。

 

また、移動体用の電池パックとしては振動に対する耐性も求められ、この耐性を向上させるために弾性接着剤と呼ばれる柔軟な接着剤をパック内部に塗布する場合があります。

 

こちらのページでは、この弾性接着剤に関する内容を解説しています。

 

・弾性接着剤とは?

 

・弾性接着剤の特徴

 

・シリコーンと変成シリコーンの特徴の違いは

 

というテーマで解説しています。

 

弾性接着剤とは?

弾性接着剤とは言葉の通り、硬化した後の硬化物がゴム状の弾性体である接着剤のことを指します

 

弾性体とはゴムなどに代表されるように、物体に力を加えている間は変形しますが力を戻すと元に戻る性質を持つ物体のことを指します。

 

もちろん弾性体であってもある限界の力を超えると元に戻らなくなってしまいます。

 

この限界それの力までの弾性を維持できる領域のことを弾性領域、限界の力以上の領域のことを塑性領域と呼びます。

 

このような硬化物が弾性体である接着剤を弾性接着剤と呼び、代表的なものにシリコーン系、変成シリコーン系の接着剤が挙げられます。

 

(※ちなみに接着剤はあまりあてはまらないのですが、難鋼などの材料は弾性領域においてかかる応力とひずみの大きさは比例し、その比例定数が弾性係数と呼ばれ、物質固有の値を示します。

 

また、応力とひずみの関係をわかりやすくグラフ化したものを応力-ひずみ線図と呼び、詳しくは別ページに記載しています

 

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弾性接着剤の特徴

 

弾性接着剤は接着強度と柔軟性(弾性)を併せ持つ優れた接着剤と言えます。

 

エポキシ接着剤は堅くて脆い樹脂として有名であり、逆にゴムは柔らかく弱い材料と言えます。

 

これに対して、弾性接着剤は柔らかいが強い材料と言えます。

 

製品によっては、堅さもエポキシ接着剤と同等でかつ柔らかい材料の製品もあり、進化し続けています。

 

こちらでは、弾性接着剤全般に当てはまる特徴について記載していきます。

 

 

接着強度が高い

 

接着強度が他の接着剤と同様、一般的に家庭で使用する場合や建築物など非常に高い強度を有する部分での接着を除けば、十分な接着強度を有する製品が多いです(もちろん製品や被着体の物性にもによります。製品を購入する場合は製品の説明を良くよみましょう)。

 

一般的にはエポキシ樹脂のような堅い接着剤と比べると接着強度は若干劣るといえます(上述のよう製品や被着体との相性で変化します)。

 

また、弾性接着剤の中でもシリコーン系より変成シリコーン系の方が接着強度が高い傾向にあります。

 

 

耐熱性、耐候性、耐薬品性が高い

 

弾性接着剤は一般的に耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐水性といった各種物性全般が高いです。

 

他の種類の接着剤と比較しても最も高いと言えるでしょう。

 

また、接着剤自体の耐熱性が高いこともありますが、弾性をもつため接着し、温度が変化し、被着体の膨張収縮が発生した際の応力を緩和できることも特徴の一つです。

 

接着強度も同様ですが、製品によって異なりますので、求められる条件での試験を適宜行っていきましょう。

 

 

異種材料の接着に強い

 

ガラスと金属の接着などのように異種材料の接着を行う場合にも使用できます。

 

こちらも接着剤自体の接着メカニズムは解明されていない部分が多く、経験的に接着できるできないが判断される場合が多いですが、弾性接着剤は異種金属の接着に強いといえます。

 

ただし、接着が難しいとされているPPなどを接着する場合は、別のPP用の接着剤やプライマー処理をし、接着剤を使用した方が良いでしょう。

 

 

シール剤や振動緩和剤としての効果もあり

 

上述のように弾性接着剤は接着剤としての機能は全般的に優れています。

 

また、接着剤としてでなく、製品に水が入り込まないようにシールするための材料であったり、製品が振動が強く伝わる場所において使用する場合は振動緩和剤としても使用する場合があります。

 

 

他の特徴としては、コストや硬化条件などが挙げられます。

 

コストに関しては、一般的に弾性接着剤は上述のよう性能が高い分、コストも比較的高い傾向にあります。

 

また、硬化条件に関しましては、使用する液が1液か2液か(別ページに記載)であったり、製品により大きく変化するため、こちらのページでは省略します。

 

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シリコーン系、変性シリコーン、変成シリコーンの特徴の違い

 

弾性接着剤にはシリコーン系や変成シリコーン系があると上にて記載しました。

 

他にも変性シリコーンと呼ばれるものがありますが、これらは違うものなのでしょうか?

 

詳しくは別ページにて記載しますが、シリコーン系接着剤(シリコーン)ではシロキサン結合と呼ばれる-Si-O-Siの構造を主鎖に持ち、側鎖に有機系のアルキル基を持ちます

 

このシロキサン結合は非常に結合エネルギーが高く、つまり良く結合されているために上述のような耐熱性を始めとした各種耐性が高くなる傾向にあります。

 

そして、変性シリコーンとは一般的にシリコーンと同じものと考えてよく、側鎖のアルキル基の部分を一部他の基に変えてあるもののことを指します。

 

これに対して、変成シリコーンとは主鎖が-C-O-C-のエーテル結合で側鎖が各種シリル基となっている構造であり、シリコーンとは別物であるといえます。

 

ただし、性能面から見ると両方とも弾性接着剤であり、似た特性を多く示すため、一括りにされている場合が多いです。

 

最も大きな特徴の違いとしては、シリコーン接着剤の上には塗工がしにくいのに対して、変成シリコーン接着剤の上には塗工しやすいという特徴があります。

 

イメージとしましては、シリコーンの方が若干耐久性(例えば熱や水に対する耐性、経年劣化等)が高く、接着強度が若干低いです。

 

コストは、シリコーンの方が若干安い傾向にあります。

 

ただし、同じシリコーン系接着剤でも、変成シリコーン系接着剤でも製品により異なりますので、きちんと物性を確認、試供品などで各種評価を行ってから使用するようにしましょう。

 

 

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