負極活物質の材料と反応(難黒鉛化炭素)

負極活物質の特徴と反応(難黒鉛化炭素)

 

リチウムイオン電池で実用化や注目が集まっている負極活物質の種類と主な特徴を解説します。
 
このページでは、炭素系材料の中でも難黒鉛化炭素について解説します。
 
難鉛化炭素の特徴、合成方法

 

・難黒鉛化炭素は言葉の通り、熱処理温度を高くしても黒鉛構造になることが難しい(ならない)炭素のことを指します。別名ハードカーボンと呼びます。

 

 

 

一般的なイメージ図

 

 

 

 

 

・フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、最近ではコーヒーのXXX等を不活性雰囲気下で熱処理することで得られます。

 

・特徴は非晶質に近い構造を有し、結晶子は黒鉛よりも小さく、グラフェンの積層枚数も数枚程度です。また、グラフェン層間距離は、0.37nm以上であり、密度は1.5g〜1.7g程度であることが多いです。

 

・結晶部が少なく、かつ結晶の層間距離も広いため、黒鉛のように膨張収縮が起こらず、サイクル特性が良好です。

 

・反応サイトは黒鉛より多いため、電荷移動抵抗を小さく出来、入出力特性が良くなります。ただし、反応サイトが多い分、不可逆容量が大きくなります。

 

・また、熱処理温度は一般的に1000℃付近であり、低いと表面官能基、高いと炭素内の孔が閉じ、容量ダウン。水分と反応しやすい。修正【XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX)

 

 

・また、黒鉛ではグラフェン層の層間へのLiイオンの脱挿入が行われていましたが、難黒鉛化炭素では結晶部のグラフェン層へのLiイオンの脱挿入に加えて、非晶質部へクラスターとして脱挿入されるため、全体としてみると黒鉛よりも脱挿入部位が大きくなります。そのため、単位質量当たりの理論的な容量は、黒鉛より大きくなる傾向にあります(熱処理や合成方法の関係で変動します)。

 

・黒鉛負極では、完全放電時から充電を始め、Liイオンが挿入されると同時に急激に電位が低下しLi/Li+電位に近づいていくことを解説しました(こちらにて解説)。

 

これに対して難黒鉛化炭素や易黒鉛化炭素(適切に熱処理されたもの)では作動電位に傾斜がつき、下記イメージ図のような曲線となります。これは結晶構造を有する部分と部分と非晶質部分の両方を併せ持つため
、外部からの何かしらの力が少しでも挿入が始まる部分と、外部からの何かしらの力が強くないと挿入が始まらない部分があるため、傾斜がつきます。

 

 

 

傾斜系のイメージ図

 

 

 

 

・上記のように作動電位に傾斜がつくため、システムでの電圧からのSOC検知が行いやすいメリットがあります(SOC-OCV曲線の説明はこちら)。

 

・また、非晶質部が多いため、黒鉛負極では使用できないPC電解液(ECよりも融点が低く、低温特性に優れる(こちらで詳細を解説)も使用できます。

 

 

難黒鉛化炭素の熱処理温度の関係

 

 

 

 

 


HOME プロフィール お問い合わせ