乾燥剤と気体の酸性・塩基性・中性とは?
高校化学において出題される乾燥剤に関する問題としては、使用できる乾燥剤と気体の組み合わせに関するものがあります。
具体的には乾燥剤や気体の酸性度(酸性・中性・塩基性(アルカリ性)によって、使用できるかどうかが判断できるのです。
ここでは、乾燥剤や気体の酸性度に関する内容について解説していきます。
・乾燥剤によって気体の水分を除去する仕組み(原理)
・乾燥剤の種類と酸性度(酸性・中性・塩基性)
・乾燥剤の酸性・中性・塩基性分類と具体例
・乾燥剤における例外
乾燥剤によって気体の水分を除去する仕組み(原理)
高校化学における乾燥剤としては、主に気体中の水分の除去を行うことに関する問題が多いです。
気体中に水を除くことができる仕組みは、「単純に吸湿性がある物質を乾燥剤として使用し、そこに気体を通すことで水分が乾燥剤に移動する」というものです。
以下の通りです。
非常にシンプルなメカニズムであるため、きちんと理解しておきましょう。
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乾燥剤の種類と酸性度(酸性・中性・塩基性)
このように吸湿できる乾燥剤ですが、種類としては「酸性の乾燥剤」「中性の乾燥剤」「塩基性(アルカリ性)の乾燥剤」に分類されます。
同様に、乾燥剤に通す気体の方も、「酸性気体」「中性気体」「塩基性(アルカリ性)気体」に分けられます。
このとき、「酸性と塩基性の組み合わせ」や「塩基性と酸性の組み合わせ」では、中和反応が起こるためにしようできないのです。
以下のようなイメージです。
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乾燥剤の酸性・中性・塩基性分類と具体例
それでは、具体的にどのような乾燥剤が酸性・中性・塩基性(アルカリ性)となるのでしょうか。
以下で確認していきます。
① 酸性の乾燥剤
酸性の乾燥剤として有名なものには以下のようなものがあります。
- 十酸化四リン(P4O10)(別名:組成式である五酸化二リン(P2O5)
- 濃硫酸(H2SO4)
が代表的です。
(※濃硫酸は水分子を吸湿するだけでなく、分子間や分子内からH2Oを引き抜く脱水作用もあります(アルコールなどの脱水にも使用されます)。
② 中性の乾燥剤
- 塩化カルシウム(CaCl2)
塩化カルシウムは基本的に万能な乾燥剤であるが、後に解説する例外も存在するため気を付けましょう。
③ 塩基性の乾燥剤
- ソーダ石灰(生石灰(CaO)とNaOHの混合物)
基本的には、これらの物質をを押さえておけば受験では問題ないです。
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乾燥剤における例外
ただ、酸性乾燥剤と酸性気体の組み合わせなど基本的に使用可能であっても使ってはいけない例外が存在します。
以下のような反応です。
-
濃硫酸とH2S(硫化水素)では、酸化還元反応がおこってしまうためにNG
-
中性の乾燥剤CaCl2(塩化カルシウム)とアンモニアでは反応を起こすためにNG
これらは例外であることをきちんと覚えておきましょう。
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