【手計算・Excel】pHとは?計算方法は?

【手計算・Excel】pHとは?計算方法は?

 

当サイトのメインテーマであるリチウムイオン電池において、たとえば正極作製時に水分が混入すると活物質中に含まれる反応しやすいLi不純物と反応することがあります。

 

このとき、電池内部はアルカリ性になり、電池性能に悪影響を与えます。

 

アルカリ性・酸性などといった言葉は専門用語ではpH(ペーハー・ピーエイチ)とよび、化学的な解析をする上で重要な用語です。

 

ここででは、pH(ペーハー・ピーエイチ)に関する以下の内容を解析していきます。

 

・pHとは何か?

 

・手計算でpHの計算を行ってみよう!【演習問題】

 

・Excelを使用してpHの計算を行ってみよう!【演習問題】

 

について解説しています。

 

 

pHとは何か?pHの定義や水素イオン濃度とは?

pHとは「ペーハー」「ピーエイチ」と呼ばれ、別名水素イオン指数や水素イオン濃度指数とも表される、水素イオン(H+)の濃度との関係を表します。

 

このpHの大きさによって、その溶液が酸性か、中性か、アルカリ性かすぐに判断が付きます。

 

pHの定義式

 

pHは以下のように定義されます。

 

厳密には活量を用いて(活量:ある系の成分iの粒子数/全体の粒子数)計算しますが、一般的に希薄溶液下では溶質の活量は、モル濃度に近似して扱います。

 

よって、一般的に使用されるpHは以下のように、水素イオン濃度の対数をとってを用いて表されます。

 

 

 

例えば、ある溶液中の水素イオン濃度が[H+]=10^(-5) mol/Lであったら、pH=5となります。

 

 

pHと酸性、中性、アルカリ性

 

下図のように、pHは0~14までの値で表され、

 

・0~6:酸性
・6~8:中性
・8~14:アルカリ性

 

と分類されています。

 

0に近づくほど、強い酸性を示し、14に近づくほど強いアルカリ性を示します。

 

こちらで解説している鉛蓄電池中の電解液のpHは0に近く、非常に強い酸性を示すため、
非常に危険ですので、気を付けましょう。

 

 

 

pHの評価方法

 

それでは、実際にある溶液のpHを測定する場合はどうすれば良いのでしょうか?

 

@リトマス紙

 

リトマス紙のことはご存知でしょうか?

 

赤色と青色の2種類のリトマス紙があり、酸性か中性かアルカリ性かのみの判断に使用され、その強さは判断できません。

 

酸性:青色リトマス紙が赤色に変色
アルカリ性:赤色リトマス紙が青色に変色
中性:青色リトマス紙も赤色リトマス紙も両方とも変色せず
 

と判断できます。

 

おおよその目安が知りたいときや、酸やアルカリを中和させ廃棄したいときに、中性になっているかどうか等の判断に使用すると良いでしょう。

 

 

ApH試験紙

 

溶液のpHに応じて色が変色する指示薬を紙中に含ませ、乾燥したものがpH試験紙です。

 

pHに対応してpH0では赤から、橙→黄→緑(中性:pH7)→青→藍→紫(pH14)と色が変化していきます。

 

pHインジケータと呼ばれる、pH試験紙で変化した色と対応するpHの関係がわかる色の見本と、pHを測定したい溶液につけ色が変色したpH試験紙を比べることでpHを算出します。

 

 

B標準水素電極との電位差測定

 

H+/H2系の電子授受平衡が成り立つ電位(SHE)との電位差を測定し(標準電極電位)、以下のネルンストの式に当てはめることで[H+]、つまりpHを算出できます。

 

このH+/H2系の電子授受平衡が成り立たせるために使用する基準となる電極のことを標準水素電極と呼びます。

 

ここで左辺の活量は[H+]、右辺の活量はH2の分圧pH2を使用することに気を付けましょう。

 

 

このpHを測定する方法としてphセンサー(pHメーター)とよばれるものがあり、簡易的なpH測定が可能です。
 
関連記事

 

活量、化学ポテンシャルとは?
標準電極電位とは?
ネルンストの式とは?
phセンサー(pHメーター)とは?測定原理とは?

 

 

pHの計算を行ってみよう!その1【演習問題】

それでは、pHの計算問題を解いてみましょう。

 

例題

 

濃度が0.5mol/Lである塩酸があり、塩酸の電離度は1であるとします。

 

(塩酸や硫酸のように、電離度がほぼ1と高いものを強酸と呼びます。逆に、酢酸のように電離度が低いもののことを弱酸と呼びます)

 

このときの塩酸のpHを算出しましょう。

 

解答
 
まずは塩酸の水素イオン濃度[H+]を算出しましょう。

 

水素イオン濃度は 濃度と価数と電離度を掛け合わせたものであるため、[H+] = 0.5 × 1 × 1 = 0.5 mol/Lとなります。

 

関数電卓などを使用して、pH = - log10 (0.5) = - (log10 5 - log10 10) = 1 - log10 5 = 1 - 0.699 = 0.301
となります。

 

Excelを使用すると以下のように=log10関数を使用することで簡単に解けます。

 

 

 

すると、計算結果は以下の通りとなります。上の関数電卓での計算結果と一致していることがわかります。

 

 

 

関連記事

 

活量、化学ポテンシャルとは?
標準電極電位とは?
ネルンストの式とは?
phセンサー(pHメーター)とは?測定原理とは?

 

pHの計算を行ってみよう!その2【演習問題】

それでは、pHの計算問題を解いてみましょう。上では塩酸という価数が1である液体を扱いましたが、以下では硫酸という価数が2(H2So4であるため)である液体について考えてみましょう。

 

※硫酸は鉛蓄電池における電解液(水系)に使用されています。

 

例題

 

濃度が0.2mol/Lである硫酸があり、硫酸の電離度は1であるとします。

 

このときの硫酸のpHを算出しましょう。

 

解答
 
まずは硫酸の水素イオン濃度[H+]を算出しましょう。

 

水素イオン濃度は 濃度と価数と電離度を掛け合わせたものであるため、[H+] = 0.2 × 2 × 1 = 0.4 mol/Lとなります。

 

関数電卓などを使用して、pH = - log10 (0.4) = - (log10 5 - log10 10) = 1 - log10 4 = 1 - 0.602 = 0.398
となります。

 

 

関連記事

 

活量、化学ポテンシャルとは?
標準電極電位とは?
ネルンストの式とは?
phセンサー(pHメーター)とは?測定原理とは?
鉛蓄電池の構成・特徴・反応

 

 


HOME プロフィール お問い合わせ