揚水発電の仕組み・メリット・デメリット(問題点) 水力発電との違いや太陽光発電との関係
いま社会全体として「環境にやさしい社会を作っていこう」とする流れが強く、自然エネルギーを利用した発電が徐々に普及し始めています。
太陽光発電が最も有名ですが、他にも風力発電や地熱発電のようにさまざまなものが挙げられます。とはいっても、従来から存在する技術である「火力発電」「原子力発電」「水力発電」「揚水発電」などの発電量の割合の方が大幅に大きいのが現状です。
そのため、「各発電の仕組み」「関連技術」「メリット・デメリット」などについて理解しておくといいです。
ここでは、上に挙げた発電の中でも特に「揚水発電」に関する内容について解説していきます。
・揚水発電の仕組み(原理)とメリット
・揚水発電と水力発電の違い
・揚水発電と太陽光発電との関係
・揚水発電のデメリット(問題点)
というテーマで解説していきます。
揚水発電の仕組み(原理)とメリット
揚水発電という言葉自体は聞いたことがあるかもしれないですが、その意味について知っていますか。
揚水発電とは電力をあまり使用しない夜間などにポンプを用いて水を低いところから高いところに汲みみあげておき、昼間の電力がより必要となるときには水力発電の原理によって発電する方法のことを指します。
(※蓄電池におけるピークシフトをイメージするといいです)
以下のようなイメージです。
※※
これが揚水発電のメカニズムです。
電気は基本的に作った分はすぐに使用しなけげればいけません。電気的なエネルギーを水の位置エネルギーに変換することで、仮想的に電気を溜めていることができるのが、この揚水発電といえます。
ただ、いまでは大規模な蓄電池(リチウムイオン蓄電池、NAS電池、レドックスフロー電池など)の研究開発が進んでいるため、揚水発電にこだわる必要がなく、選択肢が増えつつあります。
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揚水発電と水力発電の違い
このように、揚水発電は水の高低差(位置エネルギー)を利用した発電方法といえます。似たような用語として、水力発電がありますが、揚水発電と水力発電には違いがあるのでしょうか。
実は、揚水発電では、「ポンプを用いて組み上げること」を前提として作られた設備であるといえます。
一方で、水力発電ではもともと水が上から流れてくるということを想定して作られており、ポンプによる組みあげのことは考えていません。そのため、自然現象である雨によって常に上から水が供給される地域に、水力発電所は設置されています。
以下のようなイメージです。
※※
つまり、揚水発電はリチウムイオン電池のような二次電池(充電と放電ができる電池)であるといえ、水力発電は燃料(水)があれば発電できる燃料電池のようなものであるといえます。
これらが揚水発電と水力発電の違いです。
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揚水発電と太陽光発電との関係
いまでは徐々に太陽光発電が普及してきていますが、実は揚水発電とも深い関係があります。
先にも述べたように、揚水発電は余剰電力の有効活用はが目的です。ここで、徐々に太陽電池の発電効率が徐々に伸びてきているため、大規模のソーラーシステムが建設されている場所では昼の発電量が電力使用量を上回るケースはでてきています。
つまり、夜間でなく昼間に揚水発電所を動かすことが増えつつあります。
このように、水力発電だけでなく太陽光発電とも関連が強いことを認識しておくといいです。
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揚水発電のデメリット(問題点)
このように、揚水発電は良いことだらけのようなイメージがありますが、実際は問題(課題)もあります。
揚水発電の問題点としては、「基本的に揚発電所は郊外の自然を切り開いて建設するため環境破壊につながる」「実際電気を使用されるのは都市部であり、電力網をつくることでのコストが高くつき、結果としてエネルギーの有効活用になっていない」「雨量の低下や土砂の堆積などによりダムの寿命が短いときがある」などがあげられます。
わかりやすくまとめますと環境負荷とコストの観点に問題があります。
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