光と電気化学 基底状態と励起状態 蛍光とりん光 ランベルト−ベールの式

基底状態と励起状態 蛍光とりん光 ランベルト−ベールの式

 

このページでは

 

・光と電気化学 基底状態と励起状態とは?

 

・光とエネルギー放出反応 蛍光とりん光とは?

 

・ランベルト−ベールの式

 

 

について解説しています。

 

 

光と電気化学 基底状態と励起状態とは?

光の電気化学はあまり関係がないと思われるかもしれませんが、実際は深い関わりがあります。

 

太陽光発電の仕組みもまさにこの光と電気化学についての関係性を表しているといっても良いでしょう。

 

金属を始めとした物質は不連続なエネルギー準位を持っており、エネルギー準位が低い方から順々に電子で埋められています(金属の電子状態についてはこちらで解説しています)。

 

物質により電子で埋められる準位は様々です。

 

ここで、外部からこの物質に光を始めとしたのエネルギーが与えられるとします。

 

すると、物質は光などのエネルギーを吸収し、電子のエネルギー準位が上昇します。

 

 

 

 

 

元の電子のエネルギーが最も安定な位置にある状態のことを基底状態と呼び、エネルギーを受け取った後のエネルギーが上がっている状態のことを励起状態と呼び、励起状態に移ることを励起、もしくは電子遷移と呼びます。

 

このように、光のエネルギーにより物質の電子状態を変化させることができるために、光と電気化学は密接な関係になるのです。

 

 

関連記事

金属の電子状態とは?

酸化、還元反応とは?

 

 

 

 

光とエネルギー放出反応 蛍光とりん光とは?


上では、電子が光のエネルギーを吸収し、丁度エネルギ−準位の差分に対応するエネルギーを吸収した時に、基底状態から励起状態で電子が移動(電子遷移)することを解説しました。

 

励起状態ではエネルギーが高いため不安定であり、安定な状態に変化しようとします。

 

安定な状態への変化する現象の一つに元の基底状態に戻ろうとする現象があります。

 

そして、この励起状態から基底状態に戻ろうとする際にエネルギーを放出します。

 

上述のように放出するエネルギーの形としては熱や光などがあり、光としてエネルギーを放出する場合は発光が起こります。

 

そして、発光する際の光の種類は2種類あり、各々「蛍光」と「りん光」と呼ばれています。

 

 

蛍光とは?

 

蛍光は電子のスピンの向きが基底状態と同じままに励起状態となっており、そのままの向きで基底状態に戻る際に発光する光のことを指します。

 

このスピンの向きが基底状態と同じであり、励起した状態のことを励起一重項状態と呼びます。

 

蛍光灯とはまさにこの蛍光発光の原理をを利用している灯りとも言えるでしょう。

 

 

 

りん光とは?

 

逆に、りん光とは、励起する際にスピンの向きが反転し、スピンの向きが基底状態と異なる状態で励起状態となり、基底状態に戻る際にスピンの反転が起きつつ、発光する光のことを指します。

 

このスピンの向きが基底状態と異なり励起した状態のことを励起三重項状態と呼びます。
りん光は上述のよう基底状態に戻る際、反転するために蛍光よりも長く発光するという性質を持ちます。
 

 

電気化学と密接にかかわる励起状態から戻る際に起こる重要な反応の他の物質との酸化、還元反応についてはこちらのページで解説しています。

 

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酸化、還元反応とは?

 

 

 

 

ランベルト−ベールの式

光の吸収について上述していますが、光の吸収率を測定し算出する式としてランベルト−ベール式という重要な式があり、以下に解説します。

 

ある物質のモル濃度がc mol/Lである溶液を、長さL cm 角柱に入れた場合のある物質の光の吸収について考えていきます。

 

入射光の強度をI0、そして物質により吸収された後の出口の光の強度をIoとすると、以下のような式が成り立ちます。

 

log10(Io/I) = εcL が成り立ちます。

 

このεcLのことを吸光度と呼び、上の等式自体をランベルト−ベールの式と呼びます。

 

展開しますと、I = I0 10-εcLが成り立ちます。

 

 

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