電荷移動律速と拡散律速(電極反応のプロセス)

電荷移動律速と拡散律速(電極反応のプロセス)

 

このページでは、電気化学反応の反応速度を考える際に重要な

 

・電極反応のプロセスと律速

 

・電荷移動律速(電子授受律速)と拡散律速        

 

について解説しています。

 

電極反応のプロセスと律速

電極反応は

 

①電気二重層の充電
②電荷移動反応(電子授受反応)
③拡散(物質輸送)

 

というプロセスを経て起こります。

 

①の電気二重層の充電は電極の表面近傍に異符号の電荷が寄ってくる反応のことで、直接的に電極反応には関わらず、主に②の電荷移動反応(電子授受反応や電子移動反応とも呼びます)と③の拡散反応がにより電極反応の反応速度が決まります。

 

 

 

 

ここで、電極反応を考える上で律速という言葉の理解重要です。

 

律速とは、あるいくつかの反応から起こる反応プロセスにおいて
その反応(速さ)を律するプロセス、つまり反応が最も遅いプロセスのことを意味します。

 

つまり、電極反応では電荷移動反応が律速しているか(電荷移動律速なのか)、拡散が律速しているか(拡散律速なのか)を判断することがとても重要であり、律速プロセスを解析し、その律速を解消することで反応速度を高めることが出来るのです。

 

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電荷移動律速と拡散律速

 

電荷移動律速(電荷移動抵抗)とは?

 

まず、電荷移動律速(電子授受反応律速)のイメージを下記に示します。
(このサイトではリチウムイオン電池がメインテーマであるためイメージ図にも反応物としてLiイオンを図示しています)。

 

拡散が速く電荷移動反応が遅いために、電極近傍に反応しない反応物が残っている状態です。

 

 

 

そして、電子授受反応律速の場合の電極反応の反応速度は

 

Butler-Volmer式と呼ばれる過電圧(理論電圧や電位と実際に作動時の電圧や電位のずれ)と電流の関係式やこの式を近似させたTafel式という式で簡易的に見積もることが出来ます

 

これらの式は、電極表面の反応物の濃度が一定であることを仮定しているため、実際に起こる電極の複雑な詳細な反応を解析するには、計算化学の世界で知られているシミュレーションソフトを使用する必要があります。
 

拡散律速(拡散抵抗)とは?

 

次に、拡散律速のイメージを下記に示します。

 

電荷移動反応が速く、拡散が遅いために、電極近傍には反応物がなく、電解液中に残っている状態です。

 

 

そして、拡散律速の場合の電極反応の反応速度は、サイクリックボルタンメトリーを行い、コットレルの式と呼ばれる式に当てはめ、拡散係数を算出することで反応速度を見積もることができます。

 

また、拡散の速度はフィックの法則と呼ばれる、拡散流束は拡散係数と反応物の濃度勾配に比例するという以下の式で決まります。

 

 

一般的に拡散係数は固体よりも液体、液体よりも気体の方が大きく、目安は下記の通りです。

 

気体:10^-1オーダー
液体:10^-5オーダー以下
固体:10^-10オーダー以下

 

 

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