電子軌道 s軌道・p軌道
電気化学における反応を理解するうえで、物質間での電子移動をきちんと理解することは重要です。
物質の電子移動を考えるには、そもそも物質が「どのような電子状態であるか」「どのような状態で安定となりやすいのか」ということを把握するといいです。
ここでは、物質の電子配置の基礎である「電子の軌道」について詳しく解説していきます。
・電子軌道とは?
・K殻・L殻・M殻・N殻とは? s軌道・p軌道・d軌道との関係
・電子軌道にはどのような法則で電子が埋められていくのか?フントの法則とは?
・sp・sp2・sp3混成軌道とは?違いは?
というテーマで解説していきます。
電子軌道とは?
電子軌道とは、以下のような原子の構造のイメージをもっているかもしれません。
陽子と中性子から構成される原子核の周りを円周状に電子が配置されている構造の図をよく高校化学では学びます。
ただ、これはあくまでイメージであって、本質ではありません。実際は、ある軌道の中に電子が存在する確率のことを指しています。存在確率であることのイメージを雲にたとえて、各種軌道のことを電子雲とよぶこともあります。
そして、まず軌道のことを考える前に、「K殻」「L殻」「M殻」「N殻」といった殻について以下で解説していきます。
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K殻・L殻・M殻・N殻とは? s軌道・p軌道・d軌道との関係
電子軌道は、電子の殻の種類と関係しています。殻の種類としては、原子核に近い側からK殻・L殻・M殻・N殻となります。
K殻では電子が2個まで収納することができ、一方でL殻・M殻・N殻では電子が8個収納することが可能です。原子番号と所有する電子の数には関係があり、こちらで解説しています。
ここで、電子軌道について解説していきます。
K殻では、原子核を原点とした球状であるs軌道とよばれる電子軌道があり、この中に電子が存在するとされます。
同様に、L殻では、s軌道に加えて、p軌道と呼ばれる原点を中心としてx軸方向、y軸方向、z軸方向に対象な卵形の軌道を形成します。
さらに、その周りのM殻では、s軌道、p軌道に加えて、d軌道と呼ばれるさらに複雑な軌道を持つようになります。さらにその周りでは・・・という流れで軌道はより複雑になっていきます。
以下のようなイメージです。
※※画像※※
ただ、学生の基礎過程では基本的にs,p,d軌道あたりまでを理解していれば十分です。
当サイトのメインテーマである、リチウムイオン電池の構成部材である、コバルト酸リチウムやマンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどに含まれるコバルト(Co)やマンガン(Mn)や鉄(Fe)は遷移金属と呼ばれ、d軌道に特徴をもっています。
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