トルートンの規則 トルートンの式

トルートンの規則 トルートンの式

 

電気化学を学ぶ上で、物質の状態や状態変化に関する知識を身につけておくことは重要です。

 

例えば、電池反応では、化学的な状態変化のエネルギーを電気的なエネルギーに変換しています。そのため、「物質の状態に関する知識がないと、電池反応が理解できない」といった具合です。

 

ある系における物質の状態を表す量(状態量、状態関数)としては、「エンタルピー」「エントロピー」「ギブズエネルギー」などのいくつかの重要な用語があります。

 

中でもエンタルピー・エントロピーに関わる大切な考え方に「トルートンの規則(トルートンの式)」とよばれるものがあります。

 

ここでは、トルートンの規則に関する内容について解説していきます。

 

・トルートンの規則とは?トルートンの規則が成り立つ理由は?

 

・トルートンの規則が成立しないもの ずれがおこるもの

 

というテーマで解説していきます。

 

 

トルートンの規則とは?トルートンの規則が成り立つ理由は?

 

トルートンの規則とは「蒸発エントロピーは物質によらずほぼ一定の値を示すという法則」のことです(後に記載しますが、あてはまらない例外もあります)

 

トルートンの規則は以下のように定義されています。⊿vap S = ⊿vap H / Tvap ≒ 85 J /mol /K という計算式です。カロリーベースで計算すると、21cal/mol/Kとなります。

 

 
そして、どのような物質においても、基本的にはこのトルートンの法則が成り立ちます。つまり、おおよその物質における蒸発エントロピーは85 J/mol/Kとなります。

 

エントロピーをわかりやすく説明した用語は「乱雑さ・無秩序さ」です。つまり、トルートンの法則では、液体から気体に変化する際に変化する「乱雑さや無秩序さ(エントロピー)」は、物質によらずにほぼ同程度であることを表したものといえます

 

それでは、なぜこのトルートンの法則が成り立つのでしょうか。実はトルートンの規則は経験則の一つであり、科学的に成立する理由については解明されていません(一説では、対応状態の原理(相応状態の法則)に基づいているという説もありますが、議論がつづいています)。

 

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トルートンの規則が成立しないもの ずれがおこるもの

 

基本的には多くの物質に、トルートンの規則が成立します。ただ、トルートンの規則が成立しないものがあります。

 

それは、分子間の相互作用が異常に強いものです。例えば、強い分子間相互作用の代表的なものには「水素結合」があります。

 

水素結合をするもので有名な分子には、「水」「低分子のアルコール」「低分子のカルボン酸」などが挙げられます。

 

以下のようなイメージです。

 

 

このように、強い分子間の力が働いているとそのエネルギーを切って、無秩序な状態にするためには、より多くのエネルギーが必要になります。

 

他にもメタンのような回転運動のエネルギーの準位の幅が広いものでは、基底状態から励起状態になりにくくなります。励起状態では反応性が高く、この状態になりにくくなることは、エントロピーが低いこと(秩序が整っている)を意味します。結果として、トルートンの規則から外れてしまいます。

 

これは、メタンでは慣性モーメントが小さいことが理由です。

 

これらの理由から、トルートンの法則が成立しないのです。

 

トルートンの規則が成り立たない例として有名なものには、メタン、メタノール、エタノール、水などが挙げられます。

 

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