光と電気化学 励起による酸化還元力の向上

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光と電気化学 光励起による酸化還元力の向上

 

このページでは

 

・光励起と酸化力、還元力の関係

 

について解説しています。

 

(※このページの前知識として光と電気化学 基底状態と励起状態についてこちらで解説しています

 

 

 

光励起と酸化力、還元力の関係

ある金属などの物質に、光などの外部からのエネルギーを加えると物質中の電子が移動し、基底状態から励起状態になります。

 

そして、励起状態と酸化還元力は深い関係があります。

 

 

励起状態になると酸化力も還元力も上がります。

 

 

この理由について解説します。

 

まず、酸化、還元の定義についてこちらのページでも記載します。

 

ある物質が酸化されるということは他の物質へ電子を出し、ある物質が還元されるということは他の物質から電子をもらうということです。

 

金属などの物質の電子状態と酸化、還元の関係は以下のようになります。

 

 

基底状態と酸化、還元

 

通常外部からのエネルギーにより励起していない基底状態では、基底のエネルギー準位に電子が存在します。

 

 

 

 

 

励起状態と酸化、還元

 

次に励起状態と酸化、還元について考えます。

 

励起状態で電子の一部が励起準位に上がることで、電子のエネルギーが高まることになり、他の物質に電子が移動しやすくなります。

 

つまり酸化力が上がるのです(上の基底状態の図と比較してみましょう)。

 

 

励起状態で電子の一部が励起準位に上がることで、基底のエネルギー準位も空きが出来、他の物質から電子が移動しやすくなります。

 

つまり、還元力が上がるのです。

 

 

 

 

よって、励起することで、酸化力、還元力ともに上がるのです。
 
 

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