熱伝導率の測定方法(定常法と非定常法)(簡易版)

熱伝導率の測定方法(定常法と非定常法)

 

電気自動車向け(EV)にはリチウムイオン電池が主に使用されており、特にラミネート型電池が使用されることが一般的です。

 

このEV向けのラミネート型電池には非常に高い出力特性が求められますが、その際の電池の自己発熱により、電池自体が非常に高温になる場合があります。

 

電池が高温になる部位として、タブリードにおける発熱の影響が大きく、ここの発熱を抑制するためにも、電池の熱伝導度比熱をきちんと設計する必要があります。

 

このページでは

 

・簡易的に熱伝導度の値を算出するための実験方法

 

というテーマで解説しています。

 

 

熱伝導度の測定方法の概要 定常法と非定常法

厳密に熱伝導度を測定する方法としては、大きく分けて定常法と非定常法に分類できます。

 

定常法の中でも保護熱板法(GHP法)や熱流計法(HFM法)というものがあります。

 

GHP法では完全な断熱環境下で加熱板や冷却板の温度も厳密に制御し測定するため、非常に制度が良い測定が出来ますがその分時間がかかります。

 

HFM法では、GHPよりも簡単に測定することができますが、完全な断熱構造となっていないことや熱流計を間に挟むため、精度が若干劣ります。

 

非定常法としてはレーザーフラッシュ法や熱線法などがあり、言葉の通り定常状態でなく非定常時のデータを解析することで熱拡散率が求まり、比熱が既知の場合、熱伝導率が算出できるといった具合です。

 

これら厳密な測定方法は上述のようありますが、簡易的測定する方法を以下で解説します。

 

定常法である熱流計法に近い測定方法と言えるでしょう。

 

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簡易的に熱伝導率を測定する方法

 

こちらのページで比熱の簡易的な測定方法について解説していますが、学生実験や熱伝導率の意味を理解することを主な目的としている厳密な測定が必要でない場合、以下のような簡易的な測定方法があります。

 

具体的な例を元に解説していきます。

 

準備するもの

@ホットプレート(加熱板として使用します)
A比較用の熱伝導度が既知のサンプル(タブリード:今回は測定しやすいよう銅の1mmの板としましょう)
B測定したいサンプル(今回はラミネート電池全体を一つのものとしてとらえ、その熱伝導度を測定するとしましょう)
Cロガー
D熱電対
E扇風機またはドライヤー(冷却板を模擬するために使用します)

 

実験方法

下図のように、準備したもので装置を組み立てていきましょう!

 

 

 

単純にホットプレートの上に測定した試料を置きます。

 

ホットプレ―トの温度を例えば60℃としましょう(この際サンプルの溶融が起きたり、損傷が起きない温度に設定しましょう)

 

その際、熱電対をカプトンテープで挟んだものを間に入れ、高温側の温度を測定します。

 

熱伝導度が既知のサンプルを入れ、熱電対を再度はさみ、測定したいサンプルを入れます。

 

さらに、逆側に冷却するためにドライヤーや扇風機で強い風を送ることで、冷却板としてみなすか、もう一つ下のホットプレートと接触しないような小さめのホットプレートを用意し室温あたりでセットし冷却板として使用します(室温の風を当てることで冷却板の温度を室温(25℃としましょう)と同等とみなしましょう)。

 

この際も熱電対をカプトンテープで挟んだものを間に入れ、低温側の温度を測定しましょう。

 

周囲は可能な限り発泡スチロールなどの断熱材で覆うと良いでしょう。

 

そして、しばらく放置し、温度が一定(定常状態)となったら試験を止めましょう。
(厳密な定常状態でないため、若干の温度変化が続く場合もあるかもしれませんのである程度小さくなったところ(例えば1℃/分程度以下になった)で止めてよいでしょう)。

 

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簡易的な熱伝導度の解析方法

 

熱電対の高温側と比較サンプルと測定したいサンプル間の温度、低温側の温度が定常状態となり、各々58℃、48℃、28℃となったとします。

 

そして、平板における熱伝導度の算出のモデルを適用し、比較サンプルと比較するだけで算出することができます。(こちらで詳細を解説しています)

 

 

 

左面をT1(高温)℃、右面をT2(低温)℃、断面積をA m2、厚みをl = x2 - x1 mとします。

 

定常状態では、上記のよう温度勾配が直線になります。

 

フーリエの法則を用いて下記のよう,式変形していきます。

 

すると定常状態における伝熱速度が平板の定常状態におけるパラメータ
(表面温度、厚み、断面積)から算出することができます。

 

 

 
(以下工事中)


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