熱交換器の計算問題を解いてみよう 対数平均温度差(LMTD)とは?【演習問題】

熱交換器の計算問題を解いてみよう 対数平均温度差(LMTD)とは?【演習問題】

 

工業において一般的に使用されている伝熱分野の考え方の一つに
熱交換器における熱交換があります。

 

熱交換器とは、一般的には内管と外管と呼ばれる二つの管から構成され、内管と外管に温度の異なる流体を流し、熱のやり取り(熱の交換)をすることで、内管に流す流体の温度を目的の温度まで下げる、もしくは上げる装置のことです。

 

このページでは熱交換器の仕組み(原理)に関する以下の内容について解説していきます。

 

・二重管型熱交換器(簡易モデル)のメカニズム

 

・対数平均温度差を計算してみよう【演習問題】

 

 

二重管型熱交換器のメカニズム

 

一般的な熱交換器は内管と外管から構成され、この構成の熱交換器のことを二重管型熱交換器と呼びます。

 

上述の通り、内管と外管に温度の異なる流体を流し、熱のやり取りをすることで、内管に流す流体の温度を目的の温度まで下げる、もしくは上げます。

 

装置の概要は以下の通りです。

 

 

 

静状態、つまり流体の移動が完全に止まった際の熱収支(比熱と温度の関係)は熱量Q=mc⊿T (m:質量、c:比熱、⊿T:温度変化)で表されます。

 

これに対して、熱交換器では動状態、つまり流体の流れがある状態での熱収支であるため使用する量に質量流量W [kg/s] を使用します。

 

単純に内管中流体と外管中流体間で熱のやりとりを行うため、以下のように熱収支式を立てられます。

 

 

しかし、熱交換器では流体の温度分布が管の場所により異なるため、
実際はこの温度分布を考慮した対数平均温度差や内管-外管間の接触面積A、総括伝熱係数U
を考慮した下記の式により熱流量Qが表されます。

 

 

 

 

ここで対数平均温度差を算出する際は、⊿T1と⊿T2の取り方が、向流と平流で異なるため注意しましょう。

 

熱交換器の設計においては、必要な熱流量や温度差、流体の質量流量が指定してあり、その条件における接触面積を決めるケースがあり、その場合は既知のQ、U、⊿Tから接触面積Aを逆算していきます。

 

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対数平均温度差を計算してみよう【演習問題】

 

対数平均温度差とはLMTDと略すときもあります。理解を深めるために、以下の計算問題を解いていきましょう。

 

例題

 

向流において、高温流体の入り口では80℃、出口では30℃、低温流体の入り口では10℃、出口では50℃であったとします。このときの対数平均温度差を求めましょう。

 

解答
 
以下の図をもう一度思い出して解きましょう。

 

 

低温側の入り口では、⊿T1=30-10=20 、高温側の入り口では⊿T2=80-50=30となります。

 

よって、対数平均温度差 = (20- 30) / ln (20/30) = 24.66となります。

 

計算になれておきましょう。

 

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