熱流束・熱フラックスを熱量、伝熱量、断面積から計算する方法【熱流束の求め方】

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熱流束・熱フラックスを熱量、伝熱量、断面積から計算する方法【熱流束の求め方】

 

熱的なデータ解析を行う際に、よく熱流束、熱フラックスという言葉を使用することがあります。

 

この熱流束、熱フラックスの意味やどのように計算されるか理解していますか。

 

ここでは、熱流束の定義や求め方、電熱量などとの関係性について解説していきます。

 

・熱流束・熱フラックスの定義や単位は?

 

・熱流束・熱フラックスを熱量、伝熱量、断面積から計算する方法【熱流束の求め方】

 

というテーマで解説していきます。

 

 

熱流束・熱フラックスの定義や単位は?

 

熱流束とは、別名熱フラックスとも呼び、単位時間、単位面積(断面積)あたりの熱量[J]を指します。流速の速はたばの方の「束」であることを理解しておきましょう。

 

 

なお、単位時間あたりの熱量のことを伝熱量Q[J/s=W]とも呼び、伝熱量/断面以下の形で熱流束(熱フラックス)を表現することもあります

 

 

上の熱流束の定義からもわかるように、熱流束の単位は、[J/(m2・s)][W/m2]となるのです。

 

逆に伝熱量(通貨する熱量)は、熱流束を時間で積分したものともいえます。さらに、伝熱量に断面積をかけたものが、熱量に変換(換算)できるともいえます。

 

なお、熱の移動の種類としては、こちらで解説しているように熱伝導、対流電熱(熱伝達)、放射伝熱の3形態あります。

 

いずれにせよ、上述の通りの定義考えていくことで、熱流束(熱フラックス)が計算できることには変わりありません。

 

なお、他の移動で現象である拡散流束(拡散フラックス)や運動量流速と形が似ているため、併せてせて理解しておくといいです。

 

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熱流束・熱フラックスを熱量、伝熱量、断面積から計算する方法【熱流束の求め方】

 

それでは、熱流束、熱フラックスを熱量、伝熱量、断面積から求めていく方法について確認していきます。

 

例題

 

以下のような平板内を熱伝導により、熱量100Jが10sで伝わるとします。このときの平板の断面積は、0.2m^2であるとするときの伝熱量と熱流束(熱フラックス)を計算していきましょう。

 

 

解答

 

上の換算(変換)式に従って、まず伝熱量を求めていきましょう。

 

伝熱量は、単位時間あたりに通過する熱量であるために、100/10= 10J/s=10Wとなります。

 

さらに、熱流束への換算(変換)式を使用します。伝熱量を断面積で割ったものが熱流束であるため、10/0.2 = 50 W/m2が熱流束(熱フラックス)の数値となります。

 

 

今度は逆に、熱流束(熱フラックス)を伝悦亮や一定時間内に通過する熱量に換算していきましょう。

 

こちらでは上の計算式の逆の手順をたどっていきます。

 

例題2

 

ある平板内を上と同様に、熱伝導により熱が熱流束が10 W/m2で伝わるとします。平板の断面積を0.1m^2とし、熱が伝わるのに要した時間を5sとするときの伝熱量、熱量を計算してみましょう。

 

解答2

 

まずは、熱流束と断面積をかけることによって、伝熱量への換算(変換)を行っていきましょう。

 

10 × 0.1 = 1 W(=J/s)が伝熱量です。

 

さらに、経過時間である5sをかけた 1 × 5 = 5Jが上の時間で通過した分の熱量となるのです。

 

きちんと、熱量、伝熱量、熱流束(熱フラックス)の計算に慣れていきましょう。

 

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