面心立方格子、体心立方格子、ミラー指数とは?【リチウムイオン電池の正極材の結晶構造】
リチウムイオン電池は高電圧、高容量、高エネルギー密度、長寿命などのメリットがあるためスマホバッテリーや電気自動車搭載電池、家庭用蓄電池などの採用されています。
二次電池の中で性能を比較したとしても、個人で使用する場合や独立型電源(オフグリッド)などで使用する場合はリチウムイオン電池が最も適しているといえるでしょう。
ただ、リチウムイオン電池の課題としては、リチウムイオン電池の発火事故の急増などからわかるようにリチウムイオン電池の危険性(安全性)であるといえます。
IOT化が今後進むにつれ、リチウムイオン電池の重要性がより増しますが、安全性と大きくかかわる項目にリチウムイオン電池の構成材料である正極材や負極材の結晶構造が上げられます。
この結晶構造を考える上で、面心立方格子、体心立方格子、ミラー指数などの用語を知っておく必要があり、これらの用語について解説していきます。
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というテーマで解説しています。
面心立方格子とは?
面心立方格子とは、物質の結晶構造のひとうであり、言葉の通り面の中心に原子が位置する格子構造のことを指します。下図に面心立方格子の構造を示します。
面心立方格子に含まれる原子の数は?
面心立方格子に含まれる原子の数は、4個です。
頂点にくる位置には1/8の大きさである原子が8個あります。 1/8 × 8 = 1個です。
次に面の中心の位置には1/2の大きさである原子が6個分あるために、 1/2 × 6 = 3個分あります。
結果として面心立方格子には計4個分の原子が含まれていることになります。
ポリマーもオリゴマーもモノマー(単量体)が重合したもののことを指します。
この中でも、オリゴマーは重合数がおよそ100個以下程度と分子量は比較的小さいもののことを指します。比較的と記載したのは、明確に何個までがオリゴマーかどうかという定義がないからです。
これに対して、ポリマーでは重合数がおよそ100個以上と分子量が比較的大きいもののことを指します。
つまり、重合体において重合度や分子量が低めのものがオリゴマー、重合度や分子量が高めのものがポリマーといえます。
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ポリマー・オリゴマーの分子量を計算してみよう 数平均分子量Mnの求め方【演習問題】
ポリマーやオリゴマーなどの高分子の物性を考える際、最も基礎となるパラメータが平均分子量です。
(リチウムイオン電池の製造工程において、バインダー(ポリマー・オリゴマー)分子量が高いほど電極材の混練時にスラリーの粘度が上がる傾向があり、設計時の目安とすることができます)。
平均分子量は数平均分子量と数量平均分子量に大きく分けることができ、以下の演習問題で求め方を確認していきましょう。
演習問題
分子量が1000である物質Aが3つ、分子量が2000である物質Aが2つ、分子量が5000である物質Aが5つから構成されるポリマー(オリゴマー)の数平均分子量Mnを求めましょう。
回答
数平均分子量Mnは単純に分子1本あたりの算術平均値を考えていきます。数平均分子量Mnの計算式は以下の通りです。
数平均分子量Mn=(1000×3 + 2000×2 + 5000×5 ) / (3 + 2 + 5) = 3200となります。
エクセルを使用するのであれば、以下のよう分子量と数を入力し、SUMPRODUCT関数を使用し、分子量×数の積和を一括で計算すると楽です。
その後、数の合計をSUM関数を使用し求め、積和を数の合計で割ることによって、数平均分子量が算出されます。これが数平均分子量の求め方です。数平均分子量の定義をきちんと確認しておきましょう。
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ポリマー・オリゴマーの分子量を計算してみよう 重量平均分子量Mwの求め方【演習問題】
次に重量平均分子量に大きく分けることができ、以下の演習問題で求め方を確認していきましょう。
演習問題
分子量が1000である物質Aが3つ、分子量が2000である物質Aが2つ、分子量が5000である物質Aが5つから構成されるポリマー(オリゴマー)の重量平均分子量Mwを求めましょう。
回答
重量平均分子量Mwは、「分子量の2乗×数量の和」を「分子量×数量の和」でわったものです。
重量平均分子量Mwの計算式は以下の通りです。
重量平均分子量Mw=(1000×1000×3 + 2000×2000×2 + 5000×5000×5 ) / (1000×3 + 2000×2 + 5000×5) = 4250となります。
エクセルを使用するのであれば、以下のよう分子量と計算用に分子量を再度記入した項、数を入力し、SUMPRODUCT関数を使用し、一括で計算すると楽です。
これが重量平均分子量Mwの求め方です。重量平均分子量Mwの定義をきちんと確認しておきましょう。
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