電動アシスト自転車(電動自転車)用のバッテリーを長持ちさせる方法は?【リチウムイオンバッテリー】
リチウムイオン電池は高電圧、高容量、高エネルギー密度、長寿命などのメリットがあるためスマホバッテリーや電気自動車搭載電池、家庭用蓄電池、電動アシストバッテリー(電動自転車)などに採用されています。
ただ、近年ではスマホなどのリチウムイオン電池の発火事故が急増しており、リチウムイオン電池の危険性が認識されるようになってきており、リチウムイオン電池における課題は安全性(危険性)のみであるともいえます。
IOT化が今後進むにつれ、リチウムイオン電池の重要性がより増していきますが、電動アシストバッテリー搭載のリチウムイオン電池を長持ちさせるには、どのような方法をとるといいのでしょうか?
ここでは、電動アシスト(電気自転車)向けのバッテリーの寿命を延ばすための方法に関する以下のテーマで解説していきます。(※スマホ向けバッテリーのような携帯用のバッテリーを長持ちさせる方法についてはこちらで解説しています。)
・電動アシスト(電気自転車)向けのバッテリー)の寿命を延ばすには充電状態の方が良い?放電状態の方が良い?
・電動アシスト(電気自転車)向けのバッテリーの保存温度はどのくらいが良い?暖かい方が良い?寒い方が良い?
・電動アシスト(電気自転車)向けのバッテリーを冷蔵庫に保存すると劣化しにくいのか?
・電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーのリフレッシュ方法はあるのか?
というテーマで解説していきます。
電動アシスト(電気自転車)向けのバッテリーの寿命を延ばすには充電状態の方が良い?放電状態の方が良い?
電動アシストバッテリー(電動自転車)を長期保管する際は、実は完全放電状態でも満充電状態でもいけません。これは、バッテリーにリチウムイオンバッテリーを使用していることと関係しています。
完全放電状態で保存してはいけない理由
まずは電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーを完全放電状態(SOC0%)ではいけない理由について解説していきます。完全放電状態とは放電終止電圧まで放電を行った電池のことを指します。
リチウムイオン電池を始めとした電池には自己放電という、何もしなくてもエネルギーを消費してしまう原書うが起こります。自己放電はリチウムイオン電池でも電池により異なりますが、最近のリチウムイオン電池であれば自己放電量は年で10%弱程度であるといえます。
(性能の良いリチウムイオン電池であれば1%程度の製品も存在します。)
そのため、完全放電状態で保存している場合、SOCが0%を切る過放電状態となります。
過放電状態になると電池は発火に至ることはほとんどないですが、電池の容量の急激な低下や内部抵抗の大幅な上昇などという、電池の劣化が起こります。
そのため、電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーを長持ちさせるには、完全放電状態(SOC0%)にしないようにしましょう。
満充電状態で保存してはいけない理由
電動アシストバッテリー(電動自転車)を満充電状態にした状態で保管すると、電池の電圧が高い状態で保たれるために、電池材料に負担がかかり、劣化が大きくなります。
つまり、できるだけ劣化させない(容量低減、内部抵抗の上昇)ために高い充電状態(SOC)で保管してはいけないのです(バッテリー寿命を伸ばす方法にても詳細を解説しています)。
結局はSOC30~50%で保管すると良い
電動アシストバッテリー(電動自転車バッテリー)の性能にもよりますが、結局はSOCは30~50%程度で保管すると劣化も起きにくく、過放電になるリスクも避けられます。
過放電になることが心配な人は定期的にバッテリーテスターなどでその電圧を測定し、放電終止電圧に達していないかどうかをきちんと確認しましょう。放置しておいたからといって発火する可能性は低いため、そこは安心してください。
ただ、50%程度では乗っている途中に充電がなくなるリスクがありますので、使用状況を考慮して適宜充電量を整えましょう。
適切な保管方法をとり、電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーをより安全な状態を保ちましょう。
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電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーの保存温度はどのくらいが良い?暖かい方が良い?寒い方が良い?
それでは、電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーを長期的に保存する際の温度はどのくらいが良いのでしょうか?
電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーを保管する温度は、もしその温度をきちんと保てる設備があるのであれば低いほど良いといえます。
こちらのリチウムイオンバッテリー寿命を伸ばす方法にても詳細を記載しましたが、一般的なリチウムイオン電池の劣化は化学反応によって起こります。(専門用語では、黒鉛負極表面のSEIの成長ともいいます)
化学反応は低温であればあるほど反応にしくくなるため、バッテリ-寿命の劣化も抑制されます。
ただ、最近の電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーは常温でも十分に自己放電量が少ないために、無理して低温下に入れるほどまではしなくて良いです。
結論としましては、低いほど確かに劣化はしにくくなるが、最近のリチウムイオン電池では常温でも劣化しにくいため常温で保存することをおすすめします。
逆に真夏であったり、直射日光があたる場所では電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーは非常に高温になるリスクがあります。劣化が進むだけではなく、最悪の場合破裂・発火につながるケースもあります。
高温になる場所はできる限りさけましょう。
ただ、寒い状態では電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーは内部抵抗が高くなり、出力がでない傾向にあります。つまり、充電率を上げないと機能しない場合があります。
寒いと内部抵抗だけでなくそれに伴って容量も通常よりも小さくなるため、それも考慮した使用方法を行いましょう。
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電動アシストバッテリー(電動自転車バッテリー)を冷蔵庫に保存すると劣化しにくいのか?
先に述べたように、電動アシストバッテリー(電動自転車バッテリー)は低温の方が劣化しにくくなります。
それでは、家庭の冷蔵庫などに長期保存すると劣化しにくいのでしょうか?
実は、冷蔵庫に長期保存する方法は逆に劣化する可能性が高まります。
これは、冷蔵庫を開け閉めする際の温度差によって、リチウムイオン電池が結露し、電池ケースを早く錆びさせたり、水分に何か電解質が解けてた場合、短絡(ショート)につながるリスクがあるからです。
最近のリチウムイオン電池は自己放電がかなり少ないため、常温で保存してもそれほど自己放電しません。
そのため、常温で保管するようにしましょう。
自宅であれば、冷暗所にドラム缶のような発火しても問題ない密閉容器の中に入れて保存しておくことといいです。
また、企業などで長期的にリチウムイオンバッテリーを倉庫保管し、きちんと温度管理ができるのであれば低温で保存しても問題ないです。ただ、電気代がかかるため、よっぽどのことがなければ常温での保存で問題ないでしょう。
それでなくても電動アシストバッテリー(電動自転車バッテリー)はある程度のスペースをとりますので、冷蔵庫などの狭いスペースにいれることはおすすめできません。
駐輪時はなるべく、日陰などの涼しいところに駐輪するといいです。
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電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーのリフレッシュ方法はあるのか?
電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーの寿命は比較的長く製品にもよりますが、保管状況にもよりますが上記のような適切な長持ちさせる方法を行えば5年以上もつような製品も多くあります。
ただ、リチウムイオン電池は消耗品であるために、いつかは寿命がきます。
容量が減ってきて、そろそろ交換時期かな? と感じた際にバッテリーをリフレッシュ(復活)させることはできないのか考えたことはないでしょうか?
鉛蓄電池ではパルス充電を行うことでリフレッシュ(復活)させることができますがそのような方法は電動アシ
スト(電気自転車)向けバッテリーにはないのでしょうか?
実は電動アシスト(電気自転車)向けバッテリーをリフレッシュ(復活)させる方法はありせん。
劣化により容量が減ったり、内部抵抗が高くなったバッテリーは交換するしか方法はありません。
ただ、メーカーによってはバッテリーの交換手続きのこと自体をリフレッシュという表現する場合もありますので、確認した上で交換に出しましょう。
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