【電池メーカー】電池メーカー情報【GSユアサ】
最近では、スマホ向けバッテリーから電気自動車搭載電池、家庭用蓄電池などの用途にリチウムイオン電池を始めとした二次電池が注目されています。
また、更なる高容量、高エネルギー密度を有する次世代電池として全固体電池も徐々に研究が進みつつあり、今後の社会には電池を含めた電気エネルギーの更なる普及が予想されます。
こちらのページでは各電池を製造・販売している各電池メーカーと扱う電池の情報について解説しています。
というテーマで解説しています。
電池メーカ- GSユアサの概要
2004年に電池メーカーとして大手であった日本電池とユアサコーポレーションが合併し、ジーエスユアサコーポレーション(略してGSユアサ)が設立されました。
現在では、電池メーカーの最大手ともいえます。
鉛蓄電池やリチウムイオン電池など主流の二次電池を製造、販売しています。
用途としましては、自動車やバイク用(始動用など)、産業用の蓄電池から、最近ますます注目されている電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車向けなどの幅広いラインナップがあるようです。
世界的に有名なボーイング787に搭載された電池もこのGSユアサのリチウムイオン電池が採用されています。
また、ホームセンターなどでバイク用バッテリーなどを見かけるかと思いますが、多くの製品がGSユアサ製の鉛蓄電池だったりします。
上述のような電池だけでなく、GSユアサの電池は多くの製品があり、各電池の情報を調べて、以下にまとめてみました。
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GSユアサの電池の情報 電気自動車やプラグインハイブリッド車向け電池 LEV50、LEV50-4のスペック概要
GSユアサさんの電池情報について以下に記載していきます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車向けとしまして、三菱商事、三菱自動車との合弁会社のリチウムエナジージャパンでは、主に電気自動車からプラグインハイブリッド車のような高容量、高出力が求められる設計のリチウムイオン電池を主に製造しています。
このリチウムエネジージャパン(GSユアサ)の製品のラインナップにはLEV50やLEV50-4があります。
LEV50
まず、LEV50のスペックについて解説します。
LEV50は上述のようリチウムイオン電池です。
電気自動車用などに多く採用されている正極活物質であるマンガン酸リチウムを使用しているようです(GSさんのTechnical Report より)。
マンガン酸リチウムは、従来一般的にリチウムイオン電池に使用されているコバルト酸リチウムと同等の作動電圧や容量を有している活物質であり、かつ熱安定性がコバルト酸リチウムよりも高いことから安全性も高い材料として注目されています(作動電圧が若干低くなりますが、より安全性の高い材料としてはリン酸鉄リチウムと呼ばれる材料もあります。)
50Ah級の大型電池では(スマホ向けバッテリーなどは多くて数Ah程度)、電気エネルギーが小型電池に比べて非常に大きいため、異常状態となった場合の発火のリスクや程度の大きさが大きいため、より安全性が求められるといえるでしょう。
また、電気自動車などの移動体向けにはこのマンガン酸リチウムが採用されていることが多いです。
マンガン酸リチウムでは、釘指し試験のような短絡時の安全性などといった安全性全般には比較的耐性があるといえますが、過充電のような電気的なエネルギーがかかり結晶構造が壊れると酸素を放出しコバルト酸リチウムと同様に破裂・発火のリスクはあります(もちろん製品としては破裂・発火に至らないようにシステムで制御することが一般的です。)
平均作動電圧は3.7V付近のようであるため、マンガン酸リチウムの作動電位を考慮しますと負極にはチタン酸リチウムではなく、黒鉛材料などが使用されていることが予想できます。
また、定格容量は50Ahとかなり大型のリチウムイオン電池です。
形状は角型電池であり、端子周りにはボルトが立っており、中央部付近には電池異常時の内圧が上昇した場合の圧力を逃がす機構である安全弁が設置されていることがHP上の写真からは確認できます。
さらに、質量は1.7kgであり、エネルギー密度を計算してみますと、3.7V × 50Ah / 1.7kg ≒ 108.8 Wh/kgと高い質量エネルギー密度を有していることがわかります。
寸法は113.5 × 43.8 × 171であり、体積エネルギー密度は 3.7V × 50Ah / (11.35 × 4.38 × 17.1 / 1000)kg ≒ 217.6 Wh/Lという高い体積エネルギー密度を有していることもわかります。
一般的に、体積エネルギー密度の方が質量エネルギー密度よりも高い値を示します。
LEV50-4
LEV50-4では、LEV50を4直にさせた組電池です。
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