リチウムイオン電池におけるスラリーとは?スラリーの粘度測定方法
リチウムイオン電池を作製するには、大きく分けて電極作製工程(正・負極作製工程) 、エレメントの組立工程、筐体への挿入工程、注液・封止工程、電気的処理、エージング工程があります。
( ※リチウムイオン電池製造の流れはこちらで解説しています。)
電極作製工程の中でも混練時の正極、負極合剤スラリーの作製の仕方により電池性能に大きく影響を与えますこちらのページではスラリーに関する内容の解説をしています。
・リチウムイオン電池におけるスラリーとは?
・スラリーの粘度測定方法
というテーマで解説します。
(※リチウムイオン電池の生産工程における検査方法はこちらで解説しています)
リチウムイオン電池におけるスラリーとは?
スラリーとは、粉体や液体を混練した際のドロドロの懸濁液のことを指します。
リチウムイオン電池におけるスラリーとは、例えば正極(溶剤系)では正極活物質や導電助剤、バインダーや粘度調整の希釈液としてNMPを混練を指し、負極(溶剤系)では負極活物質バインダーや粘度調整の希釈液としてNMPを混練したものを指します。
合剤スラリーなどと呼ぶこともあり、活物質の粒径や種類、合剤の組成、希釈液の量などにより、スラリーの状態は大きく変わります。
スラリーに求められる特性としましては、
・粘度が適性であり、基材にきちんと塗工できること(粘度が小さすぎると設計通りの幅に塗工できない等の問題が生じ、粘度が大きすぎると固すぎて塗工装置の入口が固まり塗工できない等の問題が生じます)。
・均一に混ざっていること(均一に混ざっていない、例えばバインダーが凝集していたとするとうまく箔や材料同士をに結着せず、剥離してしまいます)
などが挙げられるでしょう。
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電極作製工程(正・負極作製工程)
エレメントの組立工程
筐体(ケース)への挿入工程
電気的処理、エージング工程
リチウムイオン電池製造の流れ
リチウムイオン電池の構成材料の危険物の分類
リチウムイオン電池の生産工程における検査方法
スラリーの粘度測定方法
粘度測定方法にはいくつか種類があります。
例えば、細管式粘度計から落球式粘度計、回転式粘度計などが挙げられます。
その中でも最も簡単に測定できる回転式粘度計がリチウムイオン電池のスラリーの粘度測定に使用されているケースがあり、回転式粘度測定の方法の概要について下に解説しています。
(以下工事中)
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