IOTの構成要素とはデバイス・クラウド・アプリケーションに集約できる
いま「IOT社会が加速されている」ということをニュースでよく目にするようになりました。
おそらくIOTについて、「パソコンやスマホなどのインターネットと関連すること」となどという漠然とした意味は理解している方が多いでしょう。
ただ、「IOTの具体的な定義」や「実際にどのようなものに適用されているのか」などの詳細について理解している方は少ないといえます。
中でもここでは、IOTを構成している要素の観点からIOTについて解説していきます。
IOTのシステム構成
IOT全体の概要についてはこちらで解説していますが、ここではIOTの各構成要素の役割について解説していきます。
IOTとは簡単にいうと、もののインターネット化を表しています。つまり、さまざまなものがネット空間を通じて「つながる」ことで、「私たちの生活がより豊かに、便利になる」ための仕組みともいえます。
例えば、医療分野におけるIOTとしては、ある病気の患者が自宅に一時帰宅できる場合などに適用されます。
具体的には、患者の腕に健康状態を監視できるセンサー付きの装置を身に着けているとします。
センサー付きのシステムにより健康状態に関するデータが得られ、このデータがクラウド上に自動でアップロードされ、共有されます。
「この共有データを医療機関が常時確認できるようになっている」というような、一括したシステムがIOTなのです。
このようなIOT技術によって、場所の自由などの多くの利点が得られるようになります。それでは、具体的にはどのような構成部材によって、IOT化が成立するのでしょうか。
以下で確認していきます。
IOTの構成要素であるデバイスの役割
IOTの流れについて、簡単に解説しました。
そして、IOTでは、まずデータを収集・送信できるものが必要になります。
この「もの」とは「IOT(もののインターネット化)」における「デバイス」ともよばれます。上の例では、患者が装着しているものに対応します。
このデバイスの役割としては、「センサーによる情報の取得(センシング)」と「データをクラウド上(インターネット空間上)への送信・提供」があります。
センサには非常に多くの種類があり、ジャイロセンサー、加速度センサー温度センサー、湿度センサー、ガスセンサー、電流センサー、画像認識センサー、光センサー、音センサー、次期センサー、教理センサーなどがあります(各々は各ページにて解説しています)。
いまでは、あらゆるセンサー技術が進歩しているおかげで入手できる情報の幅も広がっています。そのため、IOT化が一気に加速しているのです。
同時に、IOTにおけるデバイスには、センサーだけでなく、通信機能もついていることが基本です。センサーで入手したデータを通信装置で伝えることができるためです。
IOTの構成要素であるクラウドの役割
このように、デバイスによって、情報の入手や通信ができたとしても、それをどこか共有できる空間に設置しなければいけません。
この共有できるインターネット上の空間のことを狭義の意味のクラウドと呼びます。
つまり、IOT技術を構成している要素の一つに「クラウド」があります。クラウドとは、クラウドコンピューティングの略であり、広義の意味でクラウドはネット空間だけを指すわけではないです。
広い意味でクラウドとは、コンピューターを使用する上で必要な部材である「ソフトウェア」「サーバー」などを用いて、インターネット上でデータを共有するサービスなどの使用方法も含みます。
また、使い方だけでなく、ネット空間も含めたこれらの環境全般のことをクラウドと呼ぶこともあります。そのため、比較的定義があいまいな用語ともいえます。
このように比較的広い意味をもつクラウドですが、議論の中で使用する場合は基本的に狭義の意味の、ネット空間という意味で理解しておくといいです。
そして、先にも述べたようにIOTにおけるクラウドは、デバイスから得た情報を伝える先の空間という役割を担っています。
以下のようなイメージです。
※※
このクラウドがあるために、時間的、場所的な制約がなく、情報の共有が可能となっているのです。
それでは、クラウドで情報共有した後には、何をしているのでしょうか。
IOTの構成技術であるアプリケーションの役割
そして、IOTの一連の流れの中で、クラウド上でデータを共有した後には、機器が何かしらのアクションを起こします。
IOT技術において引き起こされるアクションの種類としては、「見える化」「AIでによる最適解の分析」「各種行動の実行」などが挙げられます。
このようにデータを基に行動を引き起こす要素のことをアプリケーションと呼びます。
例えば、先ほどの例である医療データにおいては、クラウド上にデータが放置されているだけではなく、先方で見える化していることが普通です。
同時に、何か異常事態がおこった場合はそれを知らせるアラームが鳴らせたりできます。
このような、「データの可視化」「異常時のアラーム」などを起こす行動を実行する技術の総称が、アプリケーションなのです。
まとめ
このように、IOT技術の根幹を支えるものとしては。「デバイス」「クラウド」「アプリケーション」に大きく分類できます。
デバイスによってデータの収集・送信を行う、クラウドで情報共有し、アプリケーションでアクションを起こすことが、IOTの基本的な一連の流れです。
さらに細かくIOTにおける構成要素を分類すれば、通信装置やコンピュータのCPUなど非常に多くの部材がIOTシステムの構築に関わっています。
(工事中)
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