ベルヌーイの定理とは?ベルヌーイの定理の問題を解いてみよう【演習問題】
当サイトでは、リチウムイオン電池をメインテーマとして各種解説をしていますが、リチウムイオン電池だけでなく、製造業において化学工学の知識は不可欠です。
例えば、リチウムイオン電池の製造工程としては、電極スラリーを混練する際の撹拌する力や与えるエネルギーの設計、電極スラリーを混練したあとの電極基材へ塗布した後のコーターでの乾燥条件の設計などに化学工学の知識が必要になる場合があります。
ここでは、化学工学における基礎技術である移動操作(流体)の中でも重要な式であるベルヌーイの式について解説していきます。
・ベルヌーイの定理・式とは?
・ベルヌーイの定理を用いた計算問題を解いてみよう【演習問題】
というテーマで解説しています。
ベルヌーイの式・定理とは?
ベルヌーイの定理とは、流体が配管内などを流れる際の機械的なエネルギーの保存則のことを指し、配管内でのエネルギー損失の考察などの配管設計をするための基礎式として非常に重要な定理です。
ベルヌーイの定理を表す式は以下の通りです。
高い位置を位置1とし、低い位置を位置2とした場合の、1における圧力、流速、高いをp1,v1,z1とします。
同様に、2における圧力、流速、高いをp2,v2,z2とします。
次に、このベルヌーイの式の導出方法について解説していきます。
位置1から位置2における流体が単位時間当たりに移動する質量は、ρV1 から ρV2とあらわせます。
ここで、質量の保存則によって ρV1 = ρV2 となり、流体の密度の変化がないため V1 = V2となります。
次に、位置1と2における運動エネルギーと位置エネルギーの変化について考えていきましょう。以下のように運動エネルギーと位置エネルギーが表すことができます。
そして、これらのエネルギー変化量は、流体の圧力差による仕事の差に一致します。
流体の仕事差は以下のようにあらわされます。
つまり、運動エネルギーの変化 + 位置エネルギーの変化 = 仕事分の変化という等式が成り立ち、V1 = V2という条件を加え、この等式を整理しますと、先にも述べたベルヌーイの式が導出されます。
ベルヌーイの定理・式の導出は化学工学において重要ですので、きちんと理解しておきましょう。
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ベルヌーイの式・定理を利用した計算問題を解いてみよう!【演習問題】
ベルヌーイの式・定理を利用して求める問題はいくつかあり、代表的なものにトリチェリの定理の導出問題やピトー管における流速を求める問題などが挙げられます。
ここでは、まずトリチェリの問題中でベルヌーイの式を使用する例題を解説していきます。
有名な問題であり右に位置する小さな穴から出る水の流速を考えていきましょう。
基本的に定常状態とみなして問題を解きます。具体的な求め方は以下の通りです。
ベルヌーイの式に各値を代入しましょう。
各々の分圧は大気圧p0で一定、上面では速度はほぼ0と近似すると、結局残る項は位置の項と、右側から出る水の速度そのものといえます。
整理すると以下の式が導出され、この式をトリチェリの式、定理とよびます。
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