【Excel】工程能力指数のCP,CPK,PPKとは?計算問題を解いてみよう【演習問題】

【Excel】工程管理能力のCP,CPK,PPKとは?CPKから不良率を算出する方法は?計算問題を解いてみよう【演習問題】

 

当サイトのメインテーマであるリチウムイオン電池をはじめとした製造業において、不良品を適切にはじく品質管理、品質保証を行うことが重要です。

 

品質管理の用語として、工程能力とよばれる用語があり、この工程能力を数値化したものを工程能力指数CP、CPK、PPKなどと呼びます。工程能力指数は品質管理において非常に重要な指標です。

 

ここでは、工程能力指数に関する内容を解説していきます。

 

・工程能力指数CPとは?3σでの品質管理との関係

 

・Excelを用いて、CPを計算してみよう【演習問題】

 

・工程能力指数CPK(PPK)とは?CP値との違いは?

 

・Excelを用いて工程能力指数CPK(PPK)の計算を行ってみよう!【演習問題】

 

・Excelを用いて、CPK(PPK)から不良率を計算する方法【演習問題】

 

というテーマで解説していきます。

 

工程能力指数CPとは?3σでの品質管理との関係

品質管理の用語として「3σでの品質管理」という用語を良く使用します。3σでの品質管理とは、あるものAを大量に製造する際にものの特定の値が正規分布に従うと仮定し、あるものAの特定の値の平均値±3σの値から外れたものは不良品であるとする品質管理手法のことを指します。

 

そして、平均値±3σの中には、約99%以上の値が含まれることが知られています。

 


例えば、リチウムイオン電池の製造において、容量に着目するとします。平均値が10Ahであり、σ(標準偏差)が0.5Ahであるとします。

 

すると、 8.5Ah〜11.5Ahの間に入っている製品は正常品であり、それ以外の5Ahであったり、13Ahであったりするものは不良品とします。

 

実はこの3σと工程能力指数Cpには深い関係があります。工程能力指数CPとはProcess Capability Index から派生した略語です。

 

例として、容量が10Ahとなるように設計されたラミネート型電池を大量に製造したとします。そして、実際の平均値も10Ahであり、上限規格が13Ah、下限規格が7Ah、で標準偏差(σ)=1となったとします。

 

CP値 = (上限規格 - 下限規格 ) / 6σ で定義されており、平均値から上限値や下限値までの幅が偏りがなく、上限値−平均値までの幅が3σであるときを CP値=1となります

 

 

 

上の例ですと、CP = (13 - 7) / (6 × 1) = 1となります。

 

ここで、上限規格が13Ah、下限規格が7Ahで、標準偏差σが0.5とばたらきが小さいとします。このとき、CP = (13 - 7) / (6 × 0.5) = 2となり、CP値が高くなります。

 

標準偏差が小さいことはばらつきが小さいことであり、工程管理能力が高いことにつながります。このとき、CP値も高くなるという流れです。つまり、CP値が高いほど工程能力が高いといえます。

 

また、片方の幅が3σであることを基準としているための3σでの品質管理を基準としたときの、割合のようなものとイメージするとわかりやすいです。

 


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Excelを用いて工程能力指数CPの計算を行ってみよう!【演習問題】

 

以下の例題で実際にCP値を求めてみましょう。

 

例題

 

以下のような電池の容量のデータが得られたとします。上限規格13Ah、下限規格7AhとしたときのCP値を求めてみましょう。CP値の算出にあたって平均値と標準偏差を求めるといいです。

 

 

解答

 

Excel関数であるAverage関数を使用して算術平均を求めましょう。

 

次に標準偏差、ここでは標本から母集団の標準偏差を予測した値の不偏標準偏差を求めています。STDEV.S関数を使用します。ちなみに、標本データそのものの標準偏差はSTDEV.P関数を使用します。

 

(STDEV.P関数・STDEVP関数とSTDEV.S関数・STDEV関数の違いについてはこちらで解説しています)

 

すると平均値10、標準偏差1.936となりました。

 

よってCP = (13 - 7) / (6 × 1.936) = 0.516となり、工程能力が比較的低いという判断ができます。

 

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工程能力指数CPK(PPK)とは?CP値との違いは?

CP値に日本語の偏りの頭文字であるKを付け加えたものがCPK値であり、CP値の進化版であるといえます。
言葉の通り偏りの部分の考慮に加えた工程能力指数といえます。別名PPKとも呼び、会社の風習で呼び方が異なります。

 

つまり、CPKとPPK同じものであり違いはありません。

 

先に述べた例では、上限規格も下限規格も平均値から対称に設定されていました。ただ、実際の場面ではどちらかに平均値が偏っているために、そのことを考慮する必要がでてきます。

 

例として、容量が10Ahとなるように設計されたラミネート型電池を大量に製造したとします。そして、実際の平均値は設計値からずれ9Ahであり、上限規格が13Ah、下限規格が7Ah、で標準偏差(σ)=1となったとします。

 

ここで、CPK値とは (上限規格 - 平均値) / (3 × σ) もしくは(平均値 - 下限規格 ) / (3 × σ) の方の小さい方の値を採用します。より厳しい方がCPK値ともいえます。

 

上の例では、 (13 - 9) / (3 × 1) = 1.33 or (9 - 7) / (3 × 1) = 0.67 となり、 CPK値は0.67を採用します。

 

 

 

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Excelを用いて工程能力指数CPK(PPK)の計算を行ってみよう!【演習問題】

 

以下の例題で実際にCPK(PPK)値を求めてみましょう。

 

例題

 

以下のような電池の容量のデータが得られたとします。上限規格13Ah、下限規格7AhとしたときのCPK(PPK)値を算出しましょう。CPK(PPK)値の計算時は、平均値と標準偏差を求めるといいです。

 

 

 

 

解答

 

Excel関数であるAverage関数を使用して算術平均を求めましょう。

 

CP時の例題と同様に、標準偏差、ここでは標本から母集団の標準偏差を予測した値の不偏標準偏差を求めています。STDEV.S関数を使用します。ちなみに、標本データそのものの標準偏差はSTDEV.P関数を使用します。

 

(STDEV.P関数・STDEVP関数とSTDEV.S関数・STDEV関数の違いについてはこちらで解説しています)

 

すると平均値10.67、標準偏差2.123となりました。

 

よってCPK(PPK) = (13 - 10.67) / (3 × 2.123) = 0.367 or (10.67 - 7) / (3 × 2.123) = 0.576の小さい方であるために、0.367と計算できます。

 

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Excelを用いて、CPK(PPK)から不良率を計算する方法【演習問題】

次に品質管理において重要な考え方の一つである不良率とCPK(PPK)の関係について考えていきましょう。

 

標準正規分布に従うと仮定し、かつ計算をわかりやすくするために、標準正規分布における中央値が上限規格と下限規格の平均であるとしましょう

 

すると上のCPKの定義から、CPK = (上限規格 - 平均値) / 3σ のσ=1(標準正規分布である)を採用します。
対称としているため平均値 - 下限規格の方を用いても大丈夫です。

 

上の式を整理しますと、 上限規格 = CPK × 3と変形できます。

 

 

 

つまり、この上限規格の値が標準正規分布におけるz値にあたるといえます。z値がわかると、標準正規分布における確率が求められます(こちらで解説しています)。

 

z値に入っているものの割合が不良品でないもの(検査工程における良品)の割合にあたり、Excelの関数であるNORMDIST関数を使用することで算出できます。

 

つまり、 =NORMDIST(上限規格)つまり=NORMDIST(3CPK)とすれば良品率の計算ができます。

 

よって不良品とCPKの関係は 1 - NORMDIST(3CPK) で求められ、あとは単位変換として%もしくはppmに変換することで、不良率を求めることができます。

 

上例では、上限規格と下限規格が正規分布の平均値のちょうど中心にくることを仮定しているため、実際は偏り分も考慮する必要がありますが、おおよその値の算出は上の通りで可能です。

 

 

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