加速劣化試験と電池部材の耐食性評価
こちらのページでは、
・加速劣化試験
・電池部材の耐食性評価方法の種類
について解説しています。
加速劣化試験とは?
ある電気的な機能を持つ製品を世の中に送り出すには、その製品が保証する期間や環境において
その製品が問題なく作動することを保証する必要があります。
その際に、製品自体や製品を構成する各部材がその保証する限界時に
(三年問題なく使用できることを解説しているものでしたら三年後)、
本当に問題ないか、検証する必要があります。
しかし、実際は長期間待っているわけにもいかないため、
それに相当する腐食度合いを厳しい環境下で短期間で行う加速劣化試験と呼ばれる試験
にてその評価を行うことが一般的です。
以下でこの加速劣化試験を用いた評価方法である
電池部材の耐食性評価について解説しています。
電池部材の耐食性評価方法の種類
電池の構成部材、例えば端子やケースなどは製品として外部環境にさらされるため、
外部環境由来の腐食が起こります。
この腐食の起こりにくさのことを耐食性と呼び、耐食性を上げるために、例えば端子では
めっき処理が施されていることが一般的です。
そして、この電池部材の耐食性を評価するため(主にめっきの評価とも言えるでしょう)の方法に
以下の試験が挙げられます。
・塩水噴霧試験 : JIS Z 2371で試験方法が定められています。
一般的に塩素イオンを含む溶液では部材の腐食が加速され、
塩水噴霧試験では5%の塩化ナトリウム(Nacl)を規定の条件で噴射し、
加速劣化させる試験方法です。
・複合サイクル腐食試験(CCT試験): JIS H 8502で試験方法が定められています。
大気下に置かれた状況を想定した試験で、
上述の塩水噴霧試験や乾燥などを複合的に
組み合わせた試験方法です。
・コロードコート試験:こちらもJIS H 8502で試験方法が定められています。
寒冷時にに撒かれる凍結防止剤(塩化カルシウム:CaCl2)が泥がある物体に付く
ことにより、腐食性が増すことを想定した試験方法です。
試験材料さえそろえば、実験レベルで評価できるお手軽な試験方法とも言えます。
他にも、局部腐食性を高めたCASS試験や、人の汗が物体(主に眼鏡等を想定)に付着することで加速劣化が起こることを想定した人工汗試験、酸性雨により加速劣化が起こることを想定した人工酸性雨試験
など各種試験があります。
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