波長と速度と周波数の変換(換算)方法 計算問題を解いてみよう
電磁波に関係する解析を行っているとき、さまざまな変換に関する用語がでてきます。
例えば、電磁波の分類に使用される定義として波長というものがあり、関係する用語として速度(伝搬速度)や周波数などがよく出てきます。そして、これらの用語は実は各々関係性があり、相互変換できます。
ここでは、波長、速度、周波数の変換(換算)方法について解説していきます。
・波長、速度、周波数の関係性
・波長、速度、周波数の変換(換算)の計算問題を解いてみよう
というテーマで解説していきます。
波長、速度、周波数の関係性
電磁波や音を始めとして周期的な波として分類できるものでは、基本的に以下のような周波数、波長、速度の関係式が成り立ちます。
なお、波長を求めるには以下のように、速度を周波数で割ったものとなります。
まず、波の速度とは伝搬速度などとも呼び、単純に波が伝わる速さそのもののことを指します
音であれば音速などが波の速さに相当するのです。
一方で、波長とはある周期的な流れが起こる波に対して、その波の1周期分の長さのことを指します。
さらに、周波数とは波の伝搬速度を波長で割ったものであり、単位時間あたりに含まれる波の個数のことを指しています。
そして、これらは先にも述べたような、波長、速度、周波数の関係式が成り立つのです。
電磁波の定義と種類は?
波数と波長の変換方法
Hzは別の単位ではs-1(1/s)
波長、周波数、速度の変換(換算)の計算問題を解いてみよう
それでは、波長、速度(伝搬速度)、周波数と波数の換算に慣れるためにも、実際に練習問題を解いていきましょう。
例題1
室温付近の音速は340m/sです。このときのある音の波長が6.8cmであるときの周波数を計算していきましょう。
解答1
上の換算式に従って計算していきましょう。
周波数=340 / 6.8 = 50Hzと求めることができます。
なお、Hzは別の単位ではs-1(1/s)と記載することができることも覚えておくといいです。
逆に、周波数と速度から波の波長を求める問題も解いていきましょう。
例題2
ある波の速度が50m/sであり、その時の周波数が1000Hzであったとします。
このときの波の波長を計算していきましょう。
解答2
こちらも上の定義式に基づいて波の波長を求めていきます。
波の波長=50 / 1000 = 0.05m =5cmと算出することができるのです。
量子化学や関連する分野の電気化学などでも、これらの概念を扱うことが多いため、きちんと理解していきましょう。
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