電子授受平衡と交換電流、交換電流密度○

電子授受平衡と交換電流、交換電流密度

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電子授受平衡と交換電流、交換電流密度

 

このページでは、電気化学における用語である

 

・電子授受平衡、交換電流、交換電流密度とは?

 

・交換電流、交換電流密度の大きさ

 

について解説してします。

 

 

電子授受平衡、交換電流、交換電流密度とは?

交換電流、交換電流密度について解説する前に、電子授受平衡について解説します。

 

電子授受平衡とは、化学平衡状態の中でも電子のやり取りを含む化学平衡状態のことを呼びます。

 

(※電子授受平衡のように荷電粒子を含む反応のエネルギーの収支を考える場合は、
  電気化学ポテンシャルというものを考える必要があり、こちらで解説しています。)

 

下記に一般化した反応を示します。
 
 

 

特に黄色部分のように、酸化体をまとめたもののが電子を受け取り、還元体をまとめたものになるといった具合にまとめて表記をすることが多いです。
 
この電子授受平衡において、
左向きの反応のアノード(酸化)反応と右向きの反応のカソード(還元)反応の
流れる電流が釣り合っており、見かけ上は電流が流れていないように見えます。

 

この釣り合っている電流のことを交換電流と呼び、
単位面積当たりの交換電流を交換電流密度と呼びます。

 

次に交換電流、交換電流密度の大きさについて以下で解説します。

 

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交換電流、交換電流密度の大きさ

 

電子授受平衡において、ある電極の表面付近の酸化体、還元体の濃度(活量)が同じで一定である系を考えます。

 

この時に、電流の大きさに影響を与える因子は以下の項目が挙げられます。

 

 

 

計算を簡単にするため酸化体、還元体の濃度はcで同じで、一定であるとしています。

 

これらを用いて、電流の大きさを酸化反応を正として式にしますと以下のようになります。

 


 

 

ここで注意すべきことはk(酸化)c(還元体)で酸化方向の反応速度を表すことです。
(※還元体は酸化される物質であるため)。

 

そして、交換電流の大きさは上式での酸化反応と還元反応が釣り合っている時の、
各々の反応の電流の大きさ であるため、以下の式で表されます。

 

この時、還元体と酸化体の濃度は一定で同じであるため c と置き、
電位が電子授受平衡時は活性化エネルギーが同じであることも考慮し、
アレニウスの式を適用すると以下のようになります。

 

 

 

最後に、交換電流と交換電流密度の関係について解説します。

 

交換電流密度は単位面積当たりの交換電流であるため、反応面積A[m^2]で割ることで算出できます。

 

 

ここで反応面積の単位を[cm^2]で記載しているのは、一般的な電気化学測定ではcmオーダーの電極を使うことが多いため、単位もcm関連の表記で統一することが一般的であるためです。

 

交換電流密度が大きいということは、その電極の電子授受速度が大きく、反応の活性が高いことを表します。

 

例えば燃料電池の分野では、MEA(膜-電極接合体)における触媒活性を示す際、この交換電流密度の大きさで議論する時があります。

 

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