めっきとは?めっきの役割とめっきの種類
こちらのページでは電気化学と密接な関係があるめっき関連のテーマである
・めっきの定義は?めっきを行う理由は?
・めっきの種類(めっき方法による分類)
について解説しています。
めっきの定義は?めっきの役割は?
そもそもめっきの定義とは何なのでしょうか?
めっきの定義は「金属イオンを還元して金属皮膜を形成すること」とされています。
そして、めっきを行う本来の理由としては、外観を良くするため、錆びなどの腐食から守るため(耐食性向上のため)などが挙げられます。
さらに、めっき技術が向上するのに伴い、電子・電気分野、例えば半導体のプリント基板へのめっきなど接合や、導電性の信頼性を向上するためといった機能性を加えるめっき(機能性めっき)などとしても使用されるようになってきました。
単純にめっきといっても、めっきする方法やめっきする金属の種類や下地の材質(樹脂や金属)の種類など多くのパラメータがあり、用途や材質の相性、コストなどの観点からめっき方法が選ばれているのです。
下記にまずめっきの種類について解説します。
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めっきの種類(めっき方法による分類)
めっき方法による分類しためっきの種類を以下に解説します。
大きく分けて、
①電気めっき(電解めっき)
②無電解めっき
③溶融めっき
に分けることが出来ます。
①電気めっき(電解めっき)の反応と特徴
電気めっきは溶液中の金属イオンをカソードで析出させるめっきする方法です。
電気を流すためにファラデーの法則に従います。
金属を溶かしてある溶媒は水溶液だけでなく、非水溶液や溶融塩でも対応可能であり、析出させることができる金属などの種類も多く、めっきの主流の方法の一つであると言えるでしょう。
溶液系でのめっきは、浴に同時に浸した部材をすべて同時にめっきできるために量産向きです(下に解説する無電解めっきでも同様)。
電気を流すために、電流密度にバラつきができるような複雑な形状のめっきを使用とすると、めっき厚などにばらつきが出てしまいます。
ただしイオン化傾向(標準電極電位)の関係から、水素よりイオン化傾向が大きい金属では溶液中の水素イオンの還元による水素発生が起きてしまうため、基本的にはめっきできません。
ただし、この列は条件によって逆転する部分があり、水素とイオン化傾向が近いが大きいニッケルなどはこの逆転が起きる条件がしばしばあり、めっき可能です。
②無電解めっき
無電解めっきは言葉の通り電気を流さずにめっき出来る画期的な方法です。
溶液中の還元剤による化学反応により金属イオンが還元され、めっきされます。
めっきされ始めた後も化学反応が進むことで成膜されていくため、自己触媒機能を持った金属(例えば、NiやCo、Cuなど)でないと反応が途中で止まり、薄いめっきしかできなくなります。
一般的には、溶媒、還元剤に次亜リン酸、析出させる金属イオン、ph調整剤、錯化剤などにより構成されます。
化学反応を用いるため複雑な形状においても緻密に反応でき、かつ膜厚の制御も可能なため、電池の端子など多くの製品に無電解めっきが使用されており、無電解めっきのニーズは増え続けています。
コストがかかること(還元剤が高コスト)やめっき浴などの液と接触している部分でも反応が起きめっきが析出するため、そのメンテナンスなどにもコストがかかることが多いです。
③溶融めっき(どぶつけめっき)
溶融めっきは高温にし溶融させた金属浴にめっき被体をつけ、引き揚げ凝固させることでめっきさせる方法です。
主に鋼材であったり家電、自動車用部材などなどの大きいもので電気的めっきよりも緻密な成膜が必要でないものに対して行うめっき方法です。
基本的に、めっき前処理、めっきの浸漬時間、引き上げ速度によりめっき膜の性能が決まります。
電気めっきや無電解めっきほど精密な制御ができません。
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