自己触媒めっきと自己触媒
めっきには、「電解めっき」「無電解めっき」「置換めっき」などさまざまな種類が存在します。
中でも、無電解めっきは精密な部材にも均一なめっきを施すことができるなどのメリットがあり、ますます注目を浴びています。
ただ、無電解めっきの課題としては、めっきできる材質の条件として「自己触媒機能をもつこと」というものがあります。
この自己触媒機能、自己触媒とは何のことか知っていますか?
ここでは「自己触媒と自己触媒めっき」に関する以下の内容について解説していきます。
・自己触媒と自己触媒めっきのメカニズム
というテーマで解説していきます。
自己触媒と自己触媒めっきのメカニズム
触媒とは、化学反応において自身は変化することなく、活性化エネルギーを下げることで、反応を促進させるものといえます(詳しくはこちらで解説しています)。
以下のようなイメージです。
自己触媒とは、反応が進みできた反応物自体が触媒となるもののことを指します。例えば、めっきの分野における無電解めっきにはこの自己触媒反応が利用されています。
ある銅などの金属に対して、ニッケルめっきを無電解めっきで行うとします。
ここで、ニッケルの無電解めっきを行うときは、めっき浴にニッケルイオンをとかしておき、溶液中の還元剤も混ぜておくことで銅の表面にニッケルを電析(析出)させることが基本です。このとき、銅が触媒として作用することでめっきの析出反応が進んでいきます。
(※他にも浴には、pHを安定化させるための緩衝作用をもった緩衝剤などが使用されています)
ただ、ニッケルの析出反応が進むにつれて、触媒であるはずの銅が覆われてしまいます。そのため、反応を続くには析出したニッケル自体が触媒となっていないといけません。
これが自己触媒反応の原理(仕組み)です。
このように、反応物自体が触媒となって、浴の反応させたいイオンがなくなるまでめっきすることを自己触媒めっきと呼びます。このときの触媒(反応物)のことを自らが触媒になることから自己触媒と呼びます。
この自己触媒となれるものは限られており、触媒活性が高いものでなければいけません。例えば、鉄・銅・ニッケル・マンガン・亜鉛などが代表的な自己触媒の代表例です。
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