混合エントロピー 計算と導出方法は?

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混合エントロピー 計算と導出方法は?

 

電気化学を理解する上で、「エネルギー変換の仕組み」や「エンタルピー・エントロピー・ギブズエネルギー」といったエネルギーの相互変換の基礎となる式について理解することは大事です。

 

この中で、エントロピーと呼ばれているものの中にもある物質同士を混ぜたときに生じるものであり「混合エントロピー」とよばれる重要な考え方があります。

 

ここでは混合エントロピーに関する以下の内容について解説していきます。

 

・理想気体の混合のエントロピーの導出

 

・混合エントロピーの最大を計算する問題【演習問題】 Excelも使用

 

というテーマで解説していきます。

 

 

理想気体の混合のエントロピーの導出

 

ある気体同士や液体同士などの混ぜた際には、混合エントロピーというものを生じます。
ここでは、簡単なモデルである2成分系の理想気体における混合エントロピーの式を導出していきます。

 

以下のような、箱の中に区切りがあり成分Aと成分Bが仕切り板区切られていたとします。

 

 

このときに、区切り板を取り除くと気体同士が自発的に混ざりあいます。混合されるときに、物質同士の秩序が変化するため、エントロピーが変化します。

 

結果として以下のような状態になります。

 

 

 

具体的には、物質の混合過程では、準静的な断熱膨張過程といえます。
よって、熱力学の第一法則を用いると、TdS=PdVの関係が成り立ちます。あとは式変形を行っていくだけです。

 

dS=Pdv/Tとなり、理想気体における状態方程式PV=nRTを使用しますと、dS=nRT dV/ TV = nRdV/Vとなります。

 

 

各気体の成分に着目しますと、体積変化はV1→V1+V2となっており、この範囲における上の式の積分を行うといいです。

 

つまり、∫ dS(区間v1~v1+V2)=n1 R∫1/V dV = n1R ln(V1+V2/V1)であり、n1R ln(n1+n2/n1) = -n1 Rln x1となります。

 

 

同様に、もう一方の成分においても同様に算出することが可能です。 -n1 Rln x1 -n2 R ln x2 であるため、混合のエントロピーは-n1 R ln x1 - n2 R ln x2 となります。

 

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混合エントロピーの最大を計算する問題【演習問題】 Excelも使用

 

混合エントロピーに関する頻出問題として、混合のエントロピーの最大値を算出する問題があります。

 

例題

 

2つの成分から構成される理想気体があるとします。このときの、溶液のエントロピーが最大となる時のエントロピーの値と各成分の組成を求めましょう。このとき、全体の物質量は1molであるとします。

 

解答

 

ちなみに、全体の総物質量が1molであるときの混合のエントロピー⊿S=-x1 R ln x1 - x2 R ln x2
と変形できます。この公式も重要ですので、覚えておきましょう。

 

一方の成分のモル分率をxとすると、2成分のみから構成されるためにもう一方のモル分率は1-xとなります。
よって、混合エントロピー⊿Smix=-R((x1lnx1 +(1-x1)ln(1-x1))となります。

 

ここで、Excelなどを用いて以下のようにこのグラフをプロットしてみましょう。

 

モル分率xをあらした列を0.1刻みで0~1まで作りましょう。

 

 

さらに、エントロピーを表す数式を打ちこみ、計算します。これをグラフにすると以下の通りになります。

 

 

つまり、モル分率0.5のところで最大となります。このときの最大値は約5.76J/(mol・K)となります。

 

きちんと理解しておきましょう。

 

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