ファラデーの法則とは?ファラデー電流と非ファラデー電流とは?

ファラデーの法則とは?ファラデー電流と非ファラデー電流とは?

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ファラデーの法則とは?ファラデー電流と非ファラデー電流とは?


こちらのページでは、ある物質の溶解析出反応などの科学的な解析に使用される

・ファラデーの法則とは?

・ファラデー電流と非ファラデー電流とは?

・クーロン(C)とアンペアアワー(Ah)などとの単位変換方法【演習問題】

について解説しています。


ファラデーの法則とは?


ファラデーの法則とは、流れた電気量(単位C)と反応する物質量は比例するという法則のことです。
 
つまり、流れた電子の量(電流と電子の関係より)と反応する物質量も比例するために反応式の量的関係から、反応する物質量、そして質量が計算できるのです。

リチウムイオン電池における電析の反応を例に考えて具体的に解説していきます。

 

流れた電気量、もしくは反応した電流量が10Ahであるとします。

そして、ファラデー定数と呼ばれる電子1mol辺りの電気量約96500C/molを使用できるように10Ahを3600s/h を用いて変換します。

10Ah = 36000Cとなるため、36000/96500 = 0.37molの電子が反応するとわかります。

量的関係から、リチウムの反応物質量も0.37molであり、リチウムの原子量約7g/molを使用しますと、2.59gのリチウムが析出すると計算できるのです

(※リチウムイオン電池において、低温でサイクル試験にかけると電析が起こる可能性があり、起きた場合急激な容量低下が起こります。その容量低下分が上式で仮定した反応電気量10Ahなどに相当し、これを元に電析量を見積もれるといった具合です。)


電気的なめっきなどもこのファラデーの法則を元にめっき量を制御でき、様々な科学技術にこのファラデーの法則は使用されてるのです。

ファラデーさんは多岐にわたる科学の進歩に貢献されており、他には発電を始めとして利用されている
ファラデーの電磁誘導の法則などが挙げられます。

また、リチウムイオン電池における反応解析において、ファラデーの法則に関わる言葉として、ファラデー電流、非ファラデー電流という言葉があり、下記で解説しています。

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ファラデーの電磁誘導の法則


ファラデー電流、非ファラデー電流とは?

ファラデー電流とは、ファラデーの法則に従い流れる電流のことを指します。
つまり上式のファラデーの法則を適用できます。

これに対して、非ファラデー電流とはファラデーの法則に従わずに流れる電流のことを指します。
つまりファラデーの法則を適用できません。

ファラデー電流は上で反応例を解説したためイメージしやすいかもしれませんが、非ファラデー電流とはどのようなものに当てはまるのでしょうか?

非ファラデー電流の例としては、電気二重層の充電などが挙げられます。高校物理で習う静電気的な力のように電子の授受反応が起きずにさっと電荷が移動する反応をイメージすると良いでしょう。

 

電気化学的な電極反応のプロセスを、ファラデー電流、非ファラデー電流で分類してみます。

電極反応のプロセスは、

①電気二重層の充電
②電荷移動反応(電子授受反応)
③拡散(物質輸送)

というプロセスを経て起こります。

ここで①の電気二重層の充電は上述のように、非ファラデー電流に分類できます。

そして②は電子授受反応そのものであるためファラデー電流に分類でき、③自体はファラデーの法則に従わない拡散のことですが、実質は②と③の反応は同時に起こっており、③の物質輸送は②の電子授受反応に影響を与える反応です。

よって、②の電子授受反応と③の拡散反応を合わせてあるいは③は②の電子授受反応に内包されたものとして、ファラデー電流であるという捉え方をすることができます。


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クーロン(C)とアンペアアワー(Ah)などとの単位変換方法【演習問題】


先にも述べた部分で、電気量(電荷量)を表すクーロン(C)をアンペアアワー(Ah)との単位変換について、さらっと行いましたが、以下で各種単位換算方法について詳しく解説していきます。

クーロン=アンペア×秒(クーロンとアンペアの換算)

まずは、単位のクーロン(C)=アンペア(A)・秒(s)で表されます。

つまり、1Aで1s電流を流したときや、2Aで0.5s電流を流したときは1Cとなります。1クーロンはどれくらいかと聞かれたら、すぐに答えられるようにしておくといいです。


クーロンとモル数の換算

次に上でも行ったクーロンとモル数(mol)の変換を考えていきましょう。

クーロンとモル数の変換には、1molあたりのクーロンであるファラデー定数96500C/mol を使用します。

単純に、193000 Cの電気量が流れたとすると、 193000 / 96500 = 2mol の物質量と計算できます。

以上のような電気量の化学的な計算はとても重要ですので、きちんと理解しましょう。


クーロン(C)とアンペアアワー(Ah)との換算
 
両方とも電気量を表す量のため、時間の長さの変換のみを行うだけで変換可能です。

C=A・sでしたよね。 ここで、3600s(秒) =1h(時間) です。

そのため、 C = A・h / 3600 とすることで、値の変換ができます。
 
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