【電池発火時の対処・消火方法】リチウムイオン電池が発火した際、水はかけるべき?

【電池発火時の対処、消化方法】リチウムイオン電池が発火した際、水はかけても大丈夫?

 

最近、スマホ向けや飛行機向けなどのリチウムイオン電池の発火事故が大きく取り上げられるようになってきましたよね。

 

ここで、リチウムイオン電池に対して水をかけて良いのかどうかということが、良く議論に上がるように感じています。

 

こちらのページでは、

 

・リチウムイオン電池が発火した際に水はかけても大丈夫?

 

・発火していない電池を水や塩水につけるとどうなる?

 

というテーマで解説しています。

 

(※リチウムイオン電池が発火するメカニズム(原理)についてはこちらで解説しています。)

 

 

リチウムイオン電池が発火した際に水はかけても大丈夫?

 

結論から言いますとリチウムイオン電池が発火した際、水をかけても問題ないです

 

ただし、少量の水ではなく多量の水をかけることが重要です。

 

リチウム金属はアルカリ金属であり、水と激しく反応し水素の発生と発熱を起こします。

 

少量の水では上記の反応による発熱の影響が大きくなりますが、多量の水をかけると水による冷却効果の方が高いため、発熱を抑えられます。

 

実際、電池の部材評価としてビーカーセルで三電極法にて、ある正極や負極単体の評価を行う場合に参照極や対極にLi金属を使用することが多くあるのですが、試験後のLi金属を廃棄する際は水につけ反応させるという廃棄処理を行います。

 

(廃棄処理の際は水素が発生するためドラフトチャンバーにて行い、水にLi金属を付けた溶液はアルカリ性になるので産業廃棄物として処理しましょう。)

 

さらに、電池ではLi金属として析出している状態ではなく(低温で急速充電すると電析が起こる場合や以前一時期普及したリチウム金属電池ではLi金属が使用されているものもあります)、充電時などは負極の黒鉛層間にLiイオンとして存在し、Li金属よりも安全な状態であるため、多量の水をかけることで発熱を抑制できるといった具合です。

 

ただし、もしリチウムイオン電池が発火しており、近くに消火器が有る場合は水よりも消火器を使用した方がより効果的です(電池の過充電試験外部短絡試験などの安全性を評価する試験にて発火した場合の対処方法としては、消火器や多量の水を噴射することで消化します。)

 

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発火していない電池を水や塩水につけるとどうなる?

 

それでは、発火していない通常の状態のリチウムイオン電池を水や塩水につけるとどうなるのでしょうか?

 

発火などの異常時のリチウムイオン電池では中の電極などが外部に出てきているために、直接発熱を抑えるために消火器や多量の水をかけることで消化していました。

 

通常時のリチウムイオン電池では中の電解液が漏れないようにするなどの理由から、気密が保たれています(中身が空気と触れないようになっている)。

 

例えば、ラミネート型電池などではラミネートの各端に熱をかけることでシールし、気密を保っています。

 

そのため、水や塩水をかけた際の初期は中に入ることはなく、すぐに反応することはありません。

 

しかし、長い時間をかけて(数時間〜数日程度)水や塩水に浸けた場合は、徐々に反応が起こります。

 

もちろん、純水であれば電気を通す電解質が溶けていないため反応は起こらないですが、通常使用する水や電解質が多く溶けている塩水であれば電気が流れるため、反応がおこります(もちろん電解質の溶けている量にもより塩水の方が反応が速いです)。

 

具体的にどのような反応が起きるかと言いますと、例えばラミネート型電池では、正極の集電体としてアルミのタブリードが使用されていることが一般的であり、イオン化傾向の関係から(具体的には標準電極電位)このアルミのタブリードが溶け始めます。
(同時に水や塩水の電気分解によるガス発生もおこります)

 

アルミが溶けだすにつれ気密が保てなくなり、中に水や塩水が浸入しますと、中の黒鉛層間に存在するLiイオンとの反応による若干の発熱や、さらに集電箔のアルミが溶け正極活物質が浮遊し負極活物質と触れた場合は短絡が発生し発熱が起き、、、、、と様々な反応が起こり、電池として機能しなくなるといった具合です。

 

そのため、電池を水や塩水などに数秒程度落とした場合では問題ないと考えられますが、落としたことに気づかず放置すると使用できなくなりますので気を付けましょう。

 

また、気づかずにその液を飲んでしまうと危険であり、流してしまうと環境上良くないため、水周りに電池を置かないように気を付けましょうね。

 

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