電磁波の分類 波長とエネルギーの関係式 1eVとは?eV・J・Vの関係や変換方法【計算問題】
このページでは
・電磁波の分類と可視光の分類
・波長とエネルギーの関係式
・1eV(エレクトロンボルト)の定義は?eVとJやVとの関係や変換方法(計算方法)
・eVとJの変換の問題を解いてみよう【計算問題】
というテーマで解説していきます。
電磁波の分類と可視光の分類
紫外線や赤外線、可視光といった言葉を聞いたことはないでしょうか?
これらは光を始めとした電磁波を波長により分類したものであり、以下のよう分類できます。
有名な電磁波としては、波長の長い方からラジオ波、マイクロ波(μ波)、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線などがあります。
電磁波の分類と可視光の分類
つまり上述のイメージ図において、ガンマ線やX線に近づくほどエネルギーが大きくなり、ラジオ波に近づくほどのエネルギーが小さくなります。
用途により適したエネルギーの電磁波が使用され、以下に波長の長い方から各特徴について解説しています。
各電磁波の特徴
ラジオ波は10m~1km付近の波長のことであり、実際にラジオに使用されている電磁波でもあります。
μ波(マイクロ波)は、言葉とはことなり波長はμオーダーではなく数cm程度で、電子レンジや携帯電話などの身近な製品に使用されています。
赤外線が実際はμオーダーであり、サーモグラフや赤外線ヒータなどに使用されています。
可視光は、私達が見える光のことであり400~800nm程度の波長の範囲にあり、波長は波長が長い方から赤橙黄緑青藍紫となります。
紫外線は、太陽の光からも出て私たちの肌にダメージを与えることで有名ですね。波長は数十~数百nm程度の範囲で、その強いエネルギーを利用して、殺菌などにも使用されます。
X線の波長は10nm程度以下であり、レントゲン写真をとる際に使用されたり、科学的な解析装置(例えばXRD)などにも使用されています。
さらにγ線の波長は数十pm程度であり、その強いエネルギーは人体組織の破壊でき、逆にそこを利用してがんの治療や医療機器の滅菌などにも使用されています。
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波長とエネルギーの関係式
ドブロイの物質波の考え方から、光には粒子性と波動性があり、光を波としてとらえ場合、ν=c/λで表すことができます(cは光速)。
そして、アインシュタインのエネルギーと振動数の関係式 E=hνに代入することで、E=hc/λというエネルギーと波長の関係式が得られます。
一般的にはエネルギーの単位は【J】を用いますが、光のエネルギーを考える場合は【eV】と使用する場合もあります(下にeVの詳細について記載しています)
この関係式から波長が短いほどエネルギーが大きいということがわかります。
(※ご参考:光速、プランク定数の値は以下の通りです)
光速c:2.998×10 8 m/s
プランク定数h:6.626×10-34 Js
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1eV(エレクトロンボルト)の定義は?eVとJやVとの関係た変換方法(計算方法)
上述のようにeV(エレクトロンボルト)はエネルギーを表す単位であることを解説しました。
1eVの定義は?
それでは、1eVの定義を確認していきます。
「1eVとは、電子一つが1V間を移動する際に出るもしくは入るエネルギーのこと」です。
eVとJの関係は?(変換方法)
エネルギーの単位J=電荷C×電圧Vで表されることを思い出し、この式を用い、JとeVの関係を導きます。
eVのeとは電気素量(1.602×10-19 C)のことを表しており、上式に代入しますと1eV=1.602×10-19C × 1V =1.602×10-19Jとなります。
eVとVの関係は?
eVとVは、両方ともにVという文字が入っているために似たような単位と勘違いされることがあります。
ただし、上述のよう
・eVはエネルギーを表す単位(Jと変換可能)
・Vは電位差(電圧)を表す単位
と異なる意味を表す単位です。また、各々はJ=C×Vの関係で結ばれることを覚えておきましょう。
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eVとJの変換の問題を解いてみよう【計算問題】
それでは、eVとJの理解を深めるために、具体的なeV(エレクトロンボルト)とJ(ジュール)の換算の問題を解いてみましょう。
例題
5eVは何Jに変換できるでしょうか。
解答
5×1.602 × 10^-19 = 8 × 10^-19 となります。
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