物質量(mol:モル数)とモル質量の違いは?計算問題を解いてみよう【演習問題】
ここでは、似たような用語である「物質量とモル質量の定義や違い」に関するの内容について解説していきます。
・物質量とモル質量の定義や違い
・物質量とモル質量の変換・計算問題をといてみよう【演習問題】
というテーマで解説していきます。
物質量(mol数)とモル質量の定義や違い
物質量とは
物質量とは、いわゆる~molで表される量のことです。
炭素原子がアボガドロ数分(6.02 × 10^23個)集まったものが12g(C12)と定義されており、この6.02 × 10^23個を1セット分と考えたときのこのセット数そのものがmol数(物質量)に当たります。
相対質量の関係から、酸素分子O2であったら32gが1molに相当します。2倍の64gであったら物質量が2molという具合です。
つまり、ある分子や単体の質量を分子量や原子量・式量で割ったものが、物質量なのです。
モル質量とは?物質量との違い
一方で、モル質量とは1molあたりの質量のことを指します。つまり、上の例では、酸素のモル質量は32gです。
他にも水分子(H2O)のモル質量は、18gとなります。
つまり、ある分子や単体における分子量や原子量・式量自体がモル質量なのです。
物質量とモル質量の変換式(換算式)
このように、物質量とモル質量が定義されています。もう一度振り返ってみますと、物質量とモル質量は以下のような関係で結びつけられることがわかります。
関連記事
原子量・分子量・式量の違いは?
分子量の求め方
絶対質量と相対質量とは?
水の分子式や構造式は?
物質量(モル数)とモル質量の変換・計算問題をといてみよう【演習問題】
物質量とモル質量の換算について理解を深めるため、計算を行ってみましょう。
例題1
水のモル質量を考え、物質量が3molあるときの質量を求めましょう。
解答
水の分子式はH2Oであるため、分子量=モル質量は18g/molとなります。
よって、全体の質量は3mol × 18g/mol = 54g となります。
関連記事
原子量・分子量・式量の違いは?
分子量の求め方
絶対質量と相対質量とは?
水の分子式や構造式は?
物質量(モル数)とモル質量の求め方2【演習問題2】
別の例題も解いて、理解をさらに深めましょう。
例題1
窒素分子のモル質量(分子量)が28g/molであることを利用し、56gの窒素の物質量(何molか)を計算しましょう。
解答
水の分子式はH2Oであるため、分子量=モル質量は18g/molとなります。
よって、全体の質量56g / モル質量 28g/mol = 2mol となります。
混乱しないように一つずつ確認していきましょう。
関連記事
原子量・分子量・式量の違いは?
分子量の求め方
絶対質量と相対質量とは?
水の分子式や構造式は?
物質量とモル質量の違いは?計算問題を解いてみよう【演習問題】 関連ページ
- イオンとはそもそも何のこと?その1 イオン発見の歴史と原子の構造と原子番号、質量数
- 酸化とは?還元とは?酸化還元の定義その1、その2
- 酸化還元の定義その3とまとめ
- 電池とは?ボルタ電池の構成と反応
- ダニエル電池の構成・仕組み・反応式は?正極・負極の反応は?素焼き板の役割は?
- イオン化傾向とは?
- 【手計算・Excel】pHとは?計算方法は?
- 同位体の存在比とは?計算問題を解いてみよう【銅や塩素の質量】
- 分子量の求め方 アンモニア・メタン・尿素などの分子量を計算してみよう【演習問題】
- 原子量・分子量・式量の違いは?
- アレニウス・ブレンステッド・ルイスの酸・塩基の定義と違いは?
- 電池の電極の質量変化を計算してみよう【ダニエル電池の質量変化】
- 絶対質量と相対質量 相対質量の計算方法(絶対質量との変換)
- ルシャトリエの法則(原理)とは?
- 電気分解とは?塩化銅水溶液(CuCl2)における電気分解の反応式 陽極・陰極での反応式 陽極、陰極、正極、負極の違いと覚え方(見分け方)
- 水の電気分解の仕組み・反応式 陽極・陰極での反応式 水酸化ナトリウムを入れる理由は?
- ヘスの法則と熱化学方程式の関係 計算問題を解き、反応熱を求めてみよう【演習問題】
- ボルンハーバーサイクルとは?イオン結晶の格子エネルギー(格子エンタルピー)を計算してみよう
- 同位体と同素体の違いは?
- 乾燥剤と気体の酸性・塩基性・中性とは?
- 気体の酸性度 酸性気体、中性気体、塩基性(アルカリ性)気体
- 潮解性・吸湿性・脱水性の違いは?
- 生石灰と消石灰とは?分子式(化学式)や用途の違い 生石灰と水との反応式は?
- ソーダ石灰の性質や塩基性(アルカリ性)の乾燥剤としての役割(アンモニアや二酸化炭素は吸収できる?)
- 単体、化合物、純物質、混合物の定義や違い
- 気体の水溶性と気体の収集方法(上方置換、下方置換、水上置換)
- 塩化水素が水に溶けやすい理由は?
- アンモニアが水に溶けやすい理由は?
- 「原子量・分子量・式量」とモル質量との違い
- 物質量(モル:mol)とアボガドロ数の違いや関係は? 計算問題を解いてみよう
- コロイドの性質 チンダル現象・ブラウン運動・電気泳動とは?
- クメン法とは?クメンヒドロペルオキシドを経由してフェノールを合成する方法
- 過酸化水素に二酸化マンガンを加えた時の反応式は?
- 疎水コロイド・親水コロイド・保護コロイド 凝析と塩析とは?
- 十酸化四リンの化学式、分子式(P4O10)、構造式は? 十酸化四リンと五酸化二リンの違いは?
- 乾燥剤である十酸化四リンが使用できない物質は? 潮解性や脱水作用を持つのか?
- リンの同素体 黄リンと赤リンの違いは?
- 分子結晶と共有結晶(共有結合性結晶)の違いは?
- 酸素の同素体 酸素とオゾンの違いは?
- 炭素の同素体 黒鉛(グラファイト)・ダイヤモンド・フラーレンの違いは?
- 浸透圧とファントホッフの式 計算問題を解いてみよう【演習問題】
- イオン結晶とイオン結合 イオン結晶の融点・沸点・電気伝導性などの性質
- 金属結晶と金属結合 金属結晶の融点・沸点・電気伝導性などの性質
- 自由電子と価電子の違いは?
- 共有結晶(共有結合結晶)と共有結合 共有結晶の融点・沸点・電気伝導性などの性質
- 分子結晶と分子間力 分子結晶の融点・沸点・電気伝導性などの性質
- 配位結合とは?配位結合の強さと矢印の書き方 共有結合・イオン結合・水素結合との違いは?
- 金属の配位結合と錯イオン(錯体) 中心金属、配位子、配位数とは?
- 食塩水の電気分解における電極での反応式(イオン式) 陽極で塩素が発生し、陰極で水素が発生する理由
- 二酸化マンガンと塩酸の反応式は?【半反応式から解説】