リンの同素体 黄リンと赤リンの違いは?
高校化学においてよく同素体に関する問題が出題されます。
硫黄、リン、酸素などさまざまな同素体が存在し、各々の違いについて理解しておくべきです。
中でもここでは、リンの同素体に関する内容について解説していきます。
・リンの同素体 黄リンの特徴・性質
・赤リンの特長・性質
・黄リンと赤リンの違いと見分け方
というテーマで解説していきます。
リンの同素体 黄リンの特徴・性質
リン(P)には同素体が存在し、黄リンと赤リンがあります。
まず、黄リンについて解説していきます。
黄リンの分子式
まず、黄リンは分子式P4で表すことができます。
黄リンの構造
黄リンは以下のような正四面体の構造をとります。正四面体の頂点にP元素がくることを理解しておきましょう。
黄リンの色と常温での状態
また、黄リンの色は言葉の通り淡黄色です。形状は、常温下では、ろう状の固体です。
黄リンの保存方法
黄リンは消防法における危険物台第3類に該当する物質でもあり、空気中に放置すると自然発火する危険があります。そのために、黄リンは水中で保存することが基本です。
黄リンの毒性
さらに、黄リンは猛毒であるという性質もあるので、併せて覚えるといいです。
CS2(二硫化炭素)への溶解性
赤リンとの違いには、CS2(二硫化炭素)への溶解性があります。黄リンのみがCS2には溶けるのです。
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赤リンの特長・性質
一方で、リンの同素体であるもう一つの物質の赤リンはどのようなものなのでしょうか。
赤リンの組成式(化学式)・構造
一方で、赤リンはPが長く続いた網目状構造をとるために、分子式でなく組成式で表すことが基本です。つまり、赤リンの化学式といえば、Pとなります。
以下のような構造をとります。
※※
赤リンの色と常温での状態
また、赤リンの色は言葉のとおり赤褐色です。常温下では、粉末状の固体です。
身近な例としては、赤リンはマッチの横についている着火させる部分に使用されています。
赤リンの保存方法
黄リンとは異なり、自然発火する危険性がないため、空気中に放置していても大丈夫です(マッチは基本放置)。
赤リンの毒性
赤リンは黄リンとは異なり、毒性がないです。
赤リンのCS2(二硫化炭素)の毒性
赤リンは二硫化炭素(CS2)には溶けません。
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黄リンと赤リンの違いと見分け方
このように、同じP(リン元素)から構成される黄色リンと赤リンですが、その性質・特徴は大きく異なります。
ただ、黄リンと赤リンでは言葉が似ているために、どっちがどっちかがわからなくなることがあります。
そのため、私の場合では、黄リンの「き」という漢字は、危険の「き」と対応していると覚えておくといいです。
このように、語呂合わせのようなものを自分で作ると、記憶に残りやすいです。迷ったら、あなたなりの見分け方で思い出せるようにしておきましょう。
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