電気分解とは?塩化銅水溶液(CuCl2)における電気分解の反応式 陽極・陰極での反応式 陽極、陰極、正極、負極の違いと覚え方(見分け方)
科学的な現象を理解するためには、科学に関する基礎知識を身につけておくことがとても重要です。
例えば、ある物質の「原子量・分子量・式量」や化学平衡などさまざま用語を理解しておくといいです。
中でも、化学反応の一種である電気分解とよばれるものがあります。
ここでは、電気分解に関する内容について解説していきます。
・電気分解とは?塩化銅水溶液(CuCl2)における電気分解の反応式 陽極・陰極での反応式
・陽極、陰極、正極、負極の覚え方(見分け方) 酸化反応・還元反応(アノード・カソード)との対応
というテーマで解説していきます。
電気分解とは?塩化銅水溶液(CuCl2)における電気分解の反応式 陽極・陰極での反応式
電気分解とは、言葉の通り電気的なエネルギーを物質に加えることで分解反応を起こすことといえます。
電気分解は基本的には電池の反応の逆のイメージをするといいです。電池において、外部抵抗を加えたとすると自然に放電が起こります。
一方で、電気分解を起こすには、逆に電気的なエネルギーを加えるための電源(電池など)が必要になるのです。
以下に構成図を示します。ここでは、代表的な電気分解の反応である塩化銅水溶液(CuCl2)を使用した時の電気分解の反応式について解説していきます。
まず、電池などの直流電源と各電極をつなぎます。
電池におけるプラス(+)極を正極、電池のマイナス(-)極を負極と呼びます。
一方で、電池の正極とつなぐ電気分解を行う電極のことを陽極、電池の負極とつなぐ電極を陰極と呼びます。
ここで、基本的には電極に化学反応がおきにくい不活性電極が使用されます。材質はC(炭素)やPtなどです。
溶液にはCuCl2(塩化銅)水溶液が使用されており、以下の電離式により電離し、イオンになっています。
水溶液の電離式
塩化銅はCuCl2 → Cu2+ + 2Cl- と電離しています。これらのイオンが陽極や陰極での反応に関与するのです。
陽極での化学反応式
それでは、具体的に反応式を考えていきましょう。
塩素イオンの電荷がマイナスであるため、それと陽極(+極)が引き合うようなイメージをすると覚えやすいです
(大学課程以降で学ぶ電気化学を学ぶ厳密には若干反応メカニズムは異なります(こちらで詳しく解説しています))。
塩化物イオンが電子を放出し、塩素となり、溶液中から発生する反応が起こります。
陰極での化学反応式
次に陰極での反応を考えていきましょう。
陽極と同様に考えていきましょう。
銅イオン(Ciu2+)の電荷がプラス(+)であるため、それと陰極(-極)が引き合うようなイメージをすると覚えやすいです
(大学課程以降で学ぶ電気化学を学ぶ厳密には若干反応メカニズムは異なります(こちらで詳しく解説しています))。
銅イオンが電子を受け取り、銅が電極表面に析出する反応が起こります。
これが電気分解の仕組み(原理)です。
電子の流れを見ると、陽極から電子を放出し、正極では電子を受け取り、負極からは電子が放出され、陰極に入っていくような流れです。
一つ一つ丁寧に覚えていきましょう。
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陽極、陰極、正極、負極の覚え方(見分け方) 酸化剤・還元剤(アノード・カソード)との対応
このように、電池と電気分解の反応はセットで覚えることが多いです。
ただ、陽極、陰極、正極、負極という言葉は似ているため、混乱するときがあるかもしれません。
そこで、私自身の場合は主に語呂合わせで覚えていました。
前提として、「陽極と陰極」「正極と負極」が対になっていることまでは理解できると思います。
ここで、陽極「ヨウ」と電気分解の語尾の「カイ」を合わせて、「ヨウカイ」などと覚えていました。
つまり、電気分解では、陽極や陰極を使用するというイメージ付けをしていました。
そのため、もう一方の正極、負極の組み合わせは電池で使用するというような具合です。
また、電極の対応を覚えた後で、その反応が還元反応なのか、酸化反応なのか聞かれることがあります。
このとき、基本的には電子をうけとったら還元反応、電子を放出したら酸化反応ですが、語呂合わせで簡単に済ませたいときもあるでしょう。
そのようなときは、上図を思い出して陽極から電子が放出されることを理解しておきましょう。
つまり、陽極では酸化が起こるため、こちらも語呂合わせで「ヨウサン」と覚えておくといいです。
結果として、「ヨウカイ」で「ヨウサン」を覚えておくといいです。後は帳尻あわせを行えばいいです。
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