配位結合とは?配位結合の強さと矢印の書き方 共有結合・イオン結合・水素結合との違いは?
高校化学においてよく結晶の種類に関する問題が出題されます。
結晶には、イオン結晶、金属結晶、共有結合結晶(共有結晶)、分子結晶などがあり、これらは各種結合によって結びつくことで形を保っているのです。具体的に各結合とは、イオン結合、金属結合、共有結合、分子間力などです。
ただ、これらの結合の他にも配位結合とよばれるものが存在します。この配位結合とはどのようなものか知っていますか。
ここでは、配位結合が起こる仕組みや他の結合との違いについて解説していきます。
・配位結合とは?共有結合との違い
・配位結合の強さ
・配位結合と水素結合の違い
・配位結合とイオン結合の違い
・配位結合の矢印の書き方
というテーマで解説していきます。
配位結合とは?共有結合との違い
結論から言いますと、配位結合と共有結合は違うものです。
共有結合とは、物質Aと物質Bが不対電子を出し、それらによって電子対を形成し、結合されるのです。
以下のようなイメージです。
一方で、配位結合とは、片方が孤立電子対を持っており、もう一方の物質が電子を持っていない部分とで起こる結合のことを指します。
以下の通りです。
後に代表例については詳しく解説していきますが、アンモニアに水素イオンが配位結合し、アンモニウムイオンを形成する流れなどが有名です。
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配位結合の強さ
このような配位結合ですが、その結合の強さはどの程度なのでしょうか。
他の代表的な結合である、共有結合、イオン結合、金属結合、分子間力(水素結合・ファンデルワールス力など)と比較すると以下ような関係となります。
共有結合≒配位結合>イオン結合>金属結合>水素結合>ファンデルワールス力などとなるのです。
これは、一度配位結合をしてしまえば、共有結合と同様の構造となるため、結合力の高い共有結合と同程度の結びつきがあるといえます。
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配位結合と水素結合の違い
また、配位結合は理解が進んでいない場合、水素結合と似ていると勘違いすることもあるかもしれません。
ただ、配位結合と水素結合は別物です。
配位結合では、先にも述べたように一旦結合してしまえば共有結合のように振る舞います。そのため、結合後はそれで一分子となります。
一方で水素結合では、あくまで分子間に働いている結合を示します。電気陰性度と呼ばれる電子のひきつけやすさに差が生じることが要因で、分子間に結合の力が働くのです。
以下のようなイメージです。
このように、配位結合と水素結合には、きちんと違いがあるのです。
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配位結合とイオン結合の違い
同様に、配位結合とイオン結合を混同している方もたまにいますが、こちらも大きな違いがあります。
イオン結合は、NaClなどに代表されるように、陽イオンと陰イオンが静電気力によって、結びついているものを指します。
以下のようなものです。
一方で、先にも述べたように配位結合では共有結合に近いイメージであり、孤立電子対が結合にかかわっているのです。
きちんと、配位結合、イオン結合の違いについて理解していきましょう。
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配位結合の矢印の書き方
このように捉えることが難しい配位結合ですが、配位結合の形成時には他の結合とは書き方が異なるときがあることに気を付けましょう。
共有結合のように特に矢印を記載しない方法もありますが、配位結合であることを明確に示したいときには矢印をつかって表すのです。
以下のようなイメージです。
そして、この配位結合の矢印には方向性があり、電子対を共有する側から、受け取る側に向かって描くという規則があります。
きちんと配位結合について、一つずつ理解していきましょう。
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