コンデンサーの静電エネルギーの式と単位 静電エネルギーの計算問題をといてみよう
こちらのページでは高校物理における電磁気学の中でも、コンデンサーに蓄えられるエネルギーに関する内容について解説していきます。
・コンデンサーの静電エネルギーの計算式1/2CV^2の導出方法
・コンデンサーを並列にした場合の合成容量の計算問題を解いてみよう
・コンデンサーに蓄積できるエネルギーを計算してみよう【演習問題】
にというテーマで解説しています。
・コンデンサーの静電エネルギーの計算式1/2CV^2の導出方法
結論からいいますと、コンデンサーに溜めることができるエネルギーの量は1/2CV^2=1/2QVで表すことができます。
このコンデンサーで所持できるエネルギーのことを、静電エネルギーと呼びます。
それでは、この静電エネルギーはなぜ1/2CV^2=1/2QVという値になるのでしょうか。この理由について以下で確認していきます。
コンデンサーでは、電極間の電圧の大きさは低い段階では、その静電容量も小さいです。これは、溜まった電荷量Q=CVという関係式があるためです。
このとき、電場がかかった場所に電荷量qの電荷を配置したときのエネルギー(電気的な位置エネルギー)は、自身の電荷×電場に逆らって変化した電圧(電位差)(U=qVの式)で表すことができます。
コンデンサーでも、電荷が溜まりだすと、極板内に電場が生じるために、エネルギーが発生します。ただ、コンデンサーでは、直接電源によって電圧を印加した場合とは異なり、たまる電荷によって電圧も変動するのです。
つまり、電極へ移動した電荷が少ないときは電圧もひくく、時間の経過とともに電荷が大きく移動すると電圧が上昇していくのです。(とはいってもコンデンサーの充電は早くに終了しますが、実際はこのような反応が起こっているのです)。
この考え方を基に、横軸に電荷(Q)として、縦軸に電圧(V)をとったグラフを作成したとすると以下のようになるのです。
ここで、よってコンデンサーで所有できるエネルギーはこの面積に相当する1/2CV^2となるのです。
ここで、電荷と電圧の関係のQ=CVを代入すると、1/2QVとも変形できるため、コンデンサーのエネルギーは1/2CV^2もしくは、1/2QVと表すことが可能なのです。
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コンデンサーに蓄積できるエネルギーを計算してみよう【演習問題】
それでは、理解を深めるためにもコンデンサーの静電エネルギーの計算問題を解いてみましょう。
問題
外部電源により、電極間の電圧を3Vとして、十分に時間が経過したときの、コンデンサーのエネルギーを考えていきましょう。このとき、蓄えられている容量が2μFであるとします。
解答
上述の定義式に従い静電エネルギーを求めていきましょう。
すると、1/2CV2 = 1/2 × 2×10^-6 × 3×3 = 9× 10^-6 J =9μJ となります。
公式を忘れても大丈夫なように、導出方法自体を理解しておいた方がいいです。
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静電エネルギーの単位 ファラッドとジュールの違いは?
上記で、静電エネルギーの単位をJと記載しましたが、なぜ直接このように記載できるのでしょうか。以下で確認していきます。
まずファラッドF=C/Vであることから、静電エネルギーの単位は [C/V]×[V^2] = [CV] = [J] と変換できるわけです。
このとき、静電容量を表す記号であるCと単位のC(クーロン)が混ざらないように気を付けましょう。
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