キルヒホッフの電流則(キルヒホッフの第一法則)とは?計算問題を解いてみよう

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キルヒホッフの電流則(キルヒホッフの第一法則)とは?計算問題を解いてみよう

 

物理の電気回路の問題を考える中、多くの場面でキルヒホッフの法則を使用する場面を多く見かけます。

 

このキルヒホッフの法則には、キルヒホッフの電流則(第一法則)とキルヒホッフの電圧則(第二法則)に分けられ、状況によって使用するものが違います。

 

中でもここでは、キルヒホッフの電流則(キルヒホッフの第一法則)について解説していきます。

 

・キルヒホッフの電流則(第一法則)の定義と式

 

・キルヒホッフの電流則(第一法則)の計算問題を解いてみよう1

 

・キルヒホッフの電流則(第一法則)と求め方【合成抵抗の計算】

 

というテーマで解説していきます。

 

 

キルヒホッフの電流則(第一法則)の定義と式

 

キルヒホッフの電流則とは、電気回路における分岐点(専門用語では接続点)において、電流の大きさが保存されるという法則のことを指します。

 

例えば、以下のように電気回路中に分岐回路があったとします。

 

 

すると、I=I1+I2 となるわけです。

 

このシンプルな考え方がキルヒホッフの第一法則(電流則)です。

 

キルヒホッフの電流則(第一法則)への理解深めるためにも実際に計算問題を解いていきましょう。

 

なお、キルヒホッフの式というものもありますが、こちらは基本的に熱の関係性を表した式であるため、ここで解説しているキルヒホッフの電流則とは異なります。

 

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キルヒホッフの電流則(第一法則)の計算問題を解いてみよう1【求め方】

 

まずは、シンプルなキルヒホッフの電流則(第一法則)について考えていきましょう。

 

例題1

 

以下のような回路において、全体の電流値I=10Aであり、抵抗を流れる数値I1=3Aであるときに、もう一方の抵抗を流れる電流値を考えていきましょう。

 

 

解答1

 

キルヒホッフの電流則を適用していきます。

 

I1 + I2 = I という式を変形させて、I2 = I –I1 となるため、10- 3 = 7Aとなります。

 

 

 

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キルヒホッフの電流則(第一法則)と求め方【並列の合成抵抗の計算】

 

上のキルヒホッフの電流則の定義を使用することで、並列回路における合成抵抗の導出を行うこともでき、以下で確認していきます。

 

電源の電圧をVとおき、並列の抵抗の値を各々R1、R2とおきます。流れる電流全体をIとおき、R1に流れる電流をI1として、抵抗2に流れる電流をI2とすると、I=I1+I2と式が成立するのです。

 

 

なお、並列であるため、オームの法則によりV=I1R1 =I2R2 であることから、I1=V/R1、I2=V/R2となります。

 

よってI=I1+I2の式に代入しますと、I=V(1/R1 + 1/R2)となります。

 

 

 

このとき、並列の合成抵抗をR合とおくと、V=IR合ともかけます。すると、I=V/R合=V(1/R1 + 1/R2)であり、1/R合=1/R1 + 1/R2という式が導出できます。

 

このように、キルヒホッフの電流則(第一法則)が適用できすることで抵抗の合成などができるのです。

 

キルヒホッフの法則の扱いに慣れ、電気回路の問題を得意にしていきましょう。

 

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並列時の合成抵抗

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