ジュール熱の意味と発生メカニズムは?ジュール熱の計算問題を解いてみよう【演習問題】
こちらのページでは高校物理における電磁気学の基本であるジュール熱に関する内容について解説していきます。
・ジュール熱とは?単位はJを使用する
・ジュール熱の発生メカニズム
・ジュール熱の計算問題を解いてみよう1【演習問題】
というテーマで解説していきます。
ジュール熱とは?単位はJを使用する
ジュール熱とは、外部電源を使用して導線などの導体に対して、電圧をかけ電流を流した際に発生する熱のことを指します。基本的に記号Qで表すことが多く、は言葉の通り単位は[J:ジュール]を使用します。
以下のようなイメージです。
つまり、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、発熱しやすい導体から熱が発生するのです。
そして、ジュール熱は以下の計算式で表されます。
記号Qがジュール熱[J]、I[A]が電流、Vが電圧[V]、Rが抵抗値[Ω]、tが時間[s]を表します。
ジュール熱は、本質的には電力量などと同じ「エネルギー:仕事量」のことを意味しますが、エネルギーの中でも通電時に発熱する熱を特にジュール熱と呼ぶのです。
身近な製品では豆電球やIHコンロなどにこのジュール熱が利用されています。
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ジュール熱の発生メカニズムは?
このように、ジュール熱は抵抗体に通電することが発生します。
それでは、なぜジュール熱は産出されるのでしょうか。ここでは、ジュール熱ができる原理(仕組み)を以下で確認します。
実は、ジュール熱が生まれるのは、導体内に存在する金属元素と自由電子が関係しています。基本的には金属結合により固定されている結晶格子内で、金属原子の隙間を自由電子が移動しているのです。結果として、電流が流れます。
以下のようなイメージです。
ただ、通電時は自由電子は金属結合で結ばれている金属原子(固定)と衝突することがあり、熱が発生するのです。そして、電流値が大きくなるほど、自由電子の動きが激しくなるため衝突回数が増加傾向にあります。結果として、発熱量が増えるのです。
上述の式をみるとわかりますが、抵抗値が同じである場合、電流値が2倍になると、発熱量は2の2乗倍の4倍大きくなります。
気体分子運動論での分子と圧力の関係と同じような考え方であるため、併せて覚えておくといいです。
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ジュール熱の計算問題を解いてみよう1【演習問題】
それでは、理解を深めるためにもジュール熱の計算問題を解いていきましょう。
例題1
ある抵抗値が0.1Ωの導体に対して、10Aを30s間通電したとします。このときに発生するジュール熱を計算してみましょう。
解答1
抵抗値、電流値、時間が与えられているために、定義式のQ=I^2Rtを使用しましょう。
よってジュール熱=10^2 × 0.1 × 30 = 300 Jが発生するのです。
ここで、単位は基準であるΩ、A、sが使用されてるためそのまま掛け合わせるだけでいいです。mΩやmAなどが使われている場合は適宜変換を行っていきましょう。
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