ばね定数の公式や計算方法(求め方)・単位は?ばね定数が大きいほど伸びにくいのか?直列・並列時のばね定数の合成方法
力学においてばねを含んだ計算をよく見かけます。そのため、ばねの計算の扱いに慣れておくことがとても重要です。
ここでは、ばねに関する計算の中でもばね定数に関する内容について解説していきます。
・ばね定数と荷重(外力)・変位の公式 フックの法則とは? ばね定数の転位は?ばね定数は大きいほど伸びやすいのか?
・直列につないだときのばね定数の計算方法
・並列につないだときのばね定数の計算方法
というテーマで解説していきます。
ばね定数と荷重(外力)・変位の公式 フックの法則とは? ばね定数の転位は?ばね定数は大きいほど伸びやすいのか?
ばね定数とは、ばねをふくむ装置に外力をかけた際の変位との関係を表す定数のことを指します。
各々のばねによってその値は異なり、ばね定数が大きいほどばねが伸びにくいことを表します。
以下のようなイメージです。
以下のようなフックの法則とよばれる公式で荷重とばね定数・変位の関係が表されます。
公式からもわかるように、ばね定数の単位は[N/m]であらわすことが可能です。
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フックの法則を用いてばね定数の計算問題を解いてみよう
それでは、フックの法則とばね定数の定義になれるためにも計算問題を解いてみましょう。
例題
ばね定数20N/mの壁に固定されたばねがあり、外力を加えると5cm伸びたとします。このとき、外力は何N
加えていたでしょうか。
解答
F = 20 × 0.05 = 1 Nとなります。シンプルな公式であるため、きちんと理解しておきましょう。
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直列につないだときのばね定数の計算方法 ばね定数の合成
上ではばねは一つのときのばね定数に関する問題について解説しました。それでは、ばねを2本以上使うときはばね定数はどのように変化するのでしょうか。
ここでは、直列時のばね定数の合成について確認していきます。
ばね定数を直列にするときの公式は以下の通りです。
ばね定数の合成の仕方は直列時に逆数をとって、足し合わせることで算出できます。抵抗の合成では、直列時にそのまま足し合わせていたため、混同しないように気を付けましょう。
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並列につないだときのばね定数の計算方法 ばね定数の合成と導出方法
それでは、並列につないだ場合では、ばね定数の合成の仕方はどのように考えるのでしょうか。
ばね定数を並列にするときの公式は以下の通りです。
逆に、並列時のばね定数はそのまま足すことで計算できることを理解しておきましょう。
並列時にばね定数の合成では、なぜこのようになるのでしょうか。以下で導出方法を確認していきます。
合成ばね全体に外力Fがかかったとし、各々のばねにかかる力がF1、F2とするとします。このとき、F=F1+F2という等式が成立します。
また、並列に接続しているために、変位は同じです。よって、すると、F1=k1x、F2=k2x と表記することができるのです。
よって外力F=(k1+k2)xとなります。つまり、並列時のばね定数はK合成=k1+k2となります。
これがばね定数の合成時の導出方法です。
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