密度とは?比重とは?密度と比重の違いは?【演習問題】

密度とは?比重とは?密度と比重の違いは?【演習問題】

 

リチウムイオン電池は高電圧、高容量、高エネルギー密度、長寿命などのメリットがあるためスマホバッテリーや電気自動車搭載電池、家庭用蓄電池などの採用されています。

 

ただ近年、Galaxy note7などのリチウムイオン電池の発火事故が急増しており、リチウムイオン電池の安全性(危険性)が認識されるようになり、この安全性の向上がリチウムイオン電池普及のための課題の一つであるといえます。

 

IOT化が今後進むにつれ、リチウムイオン電池の重要性がより増してくるため、リチウムイオン電池に関する知識を増やすとより快適な生活を送れるでしょう。

 

リチウムイオン電池などをはじめとした、科学的な技術について理解する上で重要な用語として「密度と比重」という用語があります。どちらの似たような用語ですが、この密度と比重の違いについてきちんと理解していますでしょうか?

 

ここでは、密度と比重とは何か? 密度と比重の違いについて解説していきます。

 

・密度とは?

 

・比重とは?比重と密度の違いは?

 

・密度と比重を計算してみよう【演習問題】

 

・電池分野で良く使用する密度

 

というテーマで解説していきます。

 

 

密度とは?

密度とは広い意味でn定義としては、ある単位量におけるものの詰まっている度合の大きさと言えます。
ただ、一般的に使用する密度とは、単位体積あたりの質量のことを指し、この密度の場合の単位は kg/m^3で表されます。

 

SI単位における表記としましては、kg/m^3ですが、1000g = 1kgで、1m^3 = 1000Lの関係を用いて変換するとkg/m^3 = g/L とも変換できます。

 

良く使用する単位である g/cm^3との変換は、1 g/cm3 = 1000 kg/m^3 となります。

 

ただし、状況に応じて使用する密度の種類はいくつかあり、電池分野で良く使用する密度だけでも、上述の一般的に使用する密度から電流密度や状態密度(活性化エネルギーと関係)、エネルギー密度など様々な密度が存在します

 

また、電池の活物質(例えばコバルト酸リチウムマンガン酸リチウムリン酸鉄リチウム等)の密度としては、真密度、見かけ密度(粒子密度)、タップ密度、嵩密度などを使用しています。

 

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比重とは?比重と密度の違いは?

 

密度と比重は似ているイメージを持っている方が多いかと思いますが、密度と比重は何が違うのでしょうか?

 

実は、比重と関係する密度は上述のSI単位における密度、つまり単位体積あたりの質量を指します。一方で、比重とはある物質の密度と基準となる物質の密度の比のことを表しています

 

比重は密度の比であり、同じ単位を持つもの同士を比較しているため、単位がありません。密度と比重はこのように換算されています。
(単位がない物質量のことを、無次元量と呼び、比重もその一つです。化学工学などで使用するレイノルズ数などもこの無次元数の一つです。)

 

 

ここで基準となる物質とは、

 

・固体や液体:一般的に4℃のおける水の密度(0.999972 g/cm^3)
・気体:ある物質の比重を算出しようとする際の温度、圧力条件が同じ時の空気

 

です。

 

特に良く扱われる固体や液体の比重では、基準となる物質(上述の通り水)の絶対値がほぼ1であるため、
密度とほぼ同じ値となります。

 

これが密度と比重をややこしくしている原因の一つかもしれません。また、水の比重は水自身との比較になるために、1となります。

 

 

 

もう一度まとめておきますが、密度はある物質の単位体積あたりの質量であるのに対して、比重はある物質の密度と基準物質の密度の比とといえます。

 

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密度と比重を計算してみよう【演習問題】

先に密度や比重の求め方を解説しましたが、実際の数値で密度・比重を計算してみましょう。

 

密度の算出

 

例題

 

ある物質の体積は200cm^3であり、この時の質量は300gであったとします。この時の密度を求めましょう。

 

解答

 

密度は 300 / 200 = 1.5 g/cm^3 と求めることができます。(ちなみに密度の記号は基本的にρ(ロー)で表され、単位記号g/cm^3やkg/m^3)などで表されます。)

 

比重の算出

 

次に密度から比重に換算する問題を解いていきましょう。

 

例題

 

ある物質(液体)の体積は200cm^3であり、この時の質量は300gであったとします。また4℃における水の密度を1g/cm^3として比重を求めてください。

 

解答

 

比重は 300 / 200 / 1 = 1.5 [ - ] と求めることができます。先にも述べたように比重は単位がない無次元数(ちなみに比重の記号は基本的にdで表され、単位記号が無いことになります。)であることに気を付けましょう。

 

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(参考)リチウムイオン電池を始めとした電池分野で良く使用される密度

最後に電池分野で良く使用する広い意味での密度について解説します。

 

・質量エネルギー密度: 詳細はこちらで解説していますが、電池性能を表す指標の一つです。単位質量あたりのWh容量(ワット時定格量)のことを示しており、単位は[Wh/kg]で表します。

 

・体積エネルギー密度: 詳細はこちらで解説していますが、電池性能を表す指標の一つです。

 

単位体積あたりのWh容量のことを示しており、単位は[Wh/L]で表します。

 

・電流密度:ある電気化学的な電極反応における反応面積あたりの電流の大きさのことを示しています。

 

電気化学の分野では、実験に使用する電極の面積はcm^2オーダーのサイズが多いため、単位は[A/cm^2]で表すことが多いです。

 

  電流密度と過電圧の関係を表したButler-Volmer式Tafel式に利用されるなど、電池や電極の性能を表す指標の一つと言えるでしょう。

 

・真密度、タップ密度、嵩密度: 電池分野では、活物質等の粉体のある状態における体積あたりの質量を評価する際、真密度、タップ密度、嵩密度と呼ばれる密度を使用します。

 

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