電気化学の測定方法 -交流インピーダンス法-○

電気化学の測定方法 交流インピーダンス法

 
電気化学の測定法として、ある電極反応の抵抗成分の分離の解析等に良く使用する方法として、交流インピーダンス法という方法があります。

 

このページでは、

 

・交流インピーダンスの概要

 

・電池のインピーダンスを複素数平面プロット1 抵抗とインピーダンス

 

・電池のインピーダンスを複素数平面プロット2 コンデンサーとインピーダンス

 

・電池のインピーダンスを複素数平面プロット3 並列接続

 

・電池のインピーダンスを複素数平面プロット4 直列接続

 

について解説しています。

 

 

交流インピーダンス法の概要

交流インピーダンス法とは、ある電極系に対して交流を流し、交流の周波数を変化させていった時のインピーダンスを測定することで、電極系の反応を解析する方法のことを指します。

 

電池の解析時は等価回路と組み合わせることが一般的です。

 

交流の性質として、交流を通電させる電気回路にもよりますが、一般に電圧と電流で位相がずれます。

 

交流における電圧と電流をベクトルで表した場合の関係は、インピーダンスを用いると下記のようになります。

 

直流回路におけるオームの法則と同じような表記を取ります。

 

 

 

ここで、インピーダンスZは以下のように複素数により表します。
(※大きさや位相角は中高過程で習う定義であらわされます。)

 


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電池のインピーダンスを複素数平面プロット1 抵抗とインピーダンス

まず、電池における片方の電極と電解液の抵抗やコンデンサー成分からなる等価回路は以下の通りです。

 

主に、電解液の溶液抵抗電気二重層としてのコンデンサー成分、電荷移動抵抗の抵抗成分から等価回路は構成されます。

 

これらの成分を複素数平面状にプロットするための式変形を以下に解説します。

 

 

 

 まず、抵抗Rに対して交流の電圧Vを印加させますと、時刻tにおける電流値は

 

I=I0 sin(wt)・・・(I0:交流の振幅、w:角周波数)

 

と表せます。

 

直流でも交流でも抵抗に対してオームの法則を適用することができるため、V=IRの関係から

 

V=I0R sin(wt)

 

と表せます。

 

つまり、抵抗に対しては交流でも直流と似たように(位相差がないため)

 

インピーダンスZ=V/Iという関係が成り立ちます。

 

 

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電池のインピーダンスを複素数平面プロット2 コンデンサーとインピーダンス

次にコンデンサー成分(電池では電気二重層の充電等)に交流電圧Vを印加させた場合を考えてみましょう。

 

直流では、コンデンサーに対しては充電が完了すると反応が進まなくなるため、電流を流すことができません(インピーダンスが無限大)が、交流では電流の向きが変わるため通電することが可能です。

 

コンデンサーでは、蓄えられる電気量Q=CVという関係が成り立ちます(Cはコンデンサーの容量)。

 

そしてこのQは通電電流の積算値とも表すことが出来るため、Q=∫ I dt とも表すことが出来ます。

 

ここでI=I0 sin(wt)を代入してVについて解きますと、

 

V=1/C ∫ I dt = (1/wC) I0 cos(wt)

 

となります。

 

さらに、cos(t)=sin(wt-π/2)の関係を上式に代入すると

 

V= (1/wC) I0 sin(wt - π/2) となります。

 

するとインピーダンスZ=(1/wC) sin(wt - π/2) / sin(wt)となります。

 

つまり、こちらでも解説しましたが位相がπ/2遅れることを意味するため虚数単位を用いますと、

 

Z=-(1/wC) j となります。

 

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電池のインピーダンスを複素数平面プロット3 並列接続

 

交流インピーダンスの合成は直流回路における抵抗の合成のように、直列接続ではそのまま足し合わせ、並列接続では各々逆数をとった上で足し合わせ、再度逆数をとるという流れで算出できます。

 

今回は並列回路であるため、各々の逆数をとりイコールで結びます。

 

具体的には以下の通りです(コンデンサーの変換ではj^2=-1を使用しました)。
 
1/Z = 1/R + jwC

 

となります。

 

これを式変形していきますと、

 

1/Z = (1 + jwRC) / R となります。

 

つまり、Z = R / (1 + jwRC)と変形できます。

 

さらに、実数と虚数を分離するために右辺の分子、分母に(1 - jwRC)をかけますと、

 

Z = R(1 - jwRC) / (1 + jwRC)(1 - jwRC) =  (R - jwR^2C) / (1 + jwRC - jwRC + W^2 R^2 C^2)

 

= R / (1 + w^2 R^2 C^2) - j wR^2C (1 + w^2 R^2 C^2)

 

と実数部分と虚数部分に分離することができます。

 

これに対して、wを消去しますと、

 

(Z' - R/2)^2 + Z"^2 = R^2 / 4 と複素数平面における半円を描くことを意味しています。

 

このプロットのことをナイキストプロット(別名コールコールプロット)と呼びます。

 

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電池のインピーダンスを複素数平面プロット4 直列接続

最後にこの並列部分に電解液の抵抗分を直列で加えます。

 

インピーダンスの直列合成は上述のように、単純に足し、整理するだけです。

 

電解液抵抗成分をR1、電荷移動抵抗(電子授受抵抗)の抵抗成分をR2とすると、

 

(Z' - R1 - R2/2)^2 + Z"^2 = (R2/2)^2 となります。

 

実際の図は以下の通りとなります。

 

 

 

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